詳細が分からない遵守事項でも署名捺印してしまったらその事項の遵守義務はありますか?

格闘技道場の入門誓約書の誓約事項に「貴道場の規定を遵守する」と書かれていました。その時は疑問に思わなかったため、規定内容を確認せずに誓約書に署名捺印しました。しかし、その規定内容は誓約書にも道場のホームページにも記載されていないため、退会方法や解約金の発生有無などが分からない状態です。規定に「退会時には解約金が発生する」などの不利益な内容が書かれていないか不安になりました。

だいたいそういうケースは定型約款に関する条文や約款法理と呼ばれる考え方に従って効力が発生します。詳細の解説は省きますが、①利用者に一方的に過度に不利益な契約条項や定めは無効となる、②利用者が全く知りえないルールは契約の内容とはならない、この二つが本件で適用される可能性は高いです。
②に関連し、利用者が「道場の規定」を見せてくれと言ったのに相手方がこれを拒んだという事実がある場合、裁判で有利になります。一度「道場の規定」を見せてくれと言ってみてはいかがでしょうか。

回答ありがとうございます。
知りたい点がございます。
②に関して、「利用者が全く知りえない」とは、規定内容の開示を拒否されて初めて成立するものなのか、それとも規定の準備者が規定内容を開示していない時点で成立するものなのか、どちらなのでしょうか?

約款法理はそれほどボーダーラインが裁判例上明確になっていないので、厳密には裁判やってみないと分からないところです。
大抵の場合は、開示請求に対する拒否がないと無効にはならないと思います。ただ本件の場合、そもそも契約時点でそもそも「規定」がない可能性があり、その場合は開示請求をしなくても無効になる可能性があります。