保険金査定が原価換算のため低額すぎる…かかった工事費用は泣き寝入りですか?

■背景
マンションの上階設備からの漏水が原因で、天井や設備が汚損してしまいました。
上階住人からは、管理組合が加入する保険(住人の賠償責任を担保する特約がついていた)で対処してくれと言われ、保険会社と交渉をしていたのですが、工事費用については原価を基に築後の経過年数分減価償却を適用するルールとのことで、半分ほどしか支払われないとのことでした。
この条件に不服があれば民事訴訟で争う等当事者同士で決着してもらうしかないとの見解でした。なお、訴訟で保険会社査定以上の判決が出れば、支払うとも言っていました(つまり、上階住人には負担がかからない)。

■ご相談
復旧費用に100万円近く要したことから、示談を受け入れるとかなりの自己負担となります。
上階住人は、自分に非はないとの立場なので、話し合いには応じて貰えません。
よって、民事訴訟を視野に入れざるを得ませんが、
 ・保険会社が支払う意思表示をした範囲も含めた全額が争いとなるのか、もしくは差額分のみが争いとなるか。
 ・弁護士に依頼する場合の報酬額は、全額が基準となるのか、差額分が基準となるのか
 ・上階住人の賠償額は、いずれにしても保険金で賄われる(つまり当方から見れば争う必要がない)わけですが、相手側(弁護士がつく前提)が反論してくるとすれば、どんな内容が想定されますか
 ・そもそもこうした請求自体が、現実的なものなのか(自分が保険に入っていなかった責任が問われる等、一定の受忍が必要となると、提訴する経済的合理性が減少する?)
といった事について、アドバイス戴けないでしょうか。

・保険会社が支払う意思表示をした範囲も含めた全額が争いとなるのか、もしくは差額分のみが争いとなるか。

→保険会社の提示は訴訟前の解決を前提とした提示と考えられ,訴訟になれば,全額が争いとなる可能性があります。もっとも,訴訟になっても先方が訴訟外の提案を維持することもあります。

・弁護士に依頼する場合の報酬額は、全額が基準となるのか、差額分が基準となるのか

→弁護士との委任契約によります。

・上階住人の賠償額は、いずれにしても保険金で賄われる(つまり当方から見れば争う必要がない)わけですが、相手側(弁護士がつく前提)が反論してくるとすれば、どんな内容が想定されますか

→相手側には,保険会社から紹介された弁護士が付くことが通常です。実際支払うのは保険会社ですので。なので,保険会社の支出を最小限にする立場から,あれこれ争ってくることが通常です。