連絡の取れない従業員を懲戒解雇にしたい。
4ヶ月間連絡のとれない従業員を懲戒解雇したいです。懲戒解雇事由は経歴詐称です。
4ヶ月前適応障害で休職をしたいと言われましたが、就業規則に無い事から認めず、
退職を進めましたが特に退職の意思もありませんでした。
もともとパートだったので出勤日数減により本人の同意のもと社会保険を外しました。
そのまま雇用保険のみ加入していて4ヶ月経ちました。
その間年末調整があり、前職の源泉徴収が送られてきましたが、履歴書の会社とは違いました。履歴書では国家資格を使う会社1社のみでしたが、源泉徴収は関係ない企業でした。
ハローワークには懲戒解雇通知書だけでなく本人の同意書が必要といわれましたが
連絡が取れないので経歴詐称疑惑について聞き取りもできず。
この場合どうしたら懲戒解雇できますか?
休職の申し出があってからは出勤はしていません
懲戒解雇は、企業秩序に反する行為への制裁罰のことをいい、経歴詐称の事実があり、就業規則内に懲戒事由として列挙されているのであれば、①合理的な懲戒規定があり、②懲戒事由への該当性もあるのだと考えられますが、労働者と連絡がとれない場合、③手続要件として労働者に弁明の機会を付与したことを充たすことが難しく、懲戒解雇をしたとしても、その後、労働者から、③の要件を欠くので無効であるという訴えかけを受けてしまう虞があるのではないかと考えられます。
長期間、出勤をしない場合に、出勤命令を繰り返し行い、業務命令違反の事実を積み重ねることで、普通解雇の事由となりうる資料・証拠を作っておくという対応は多くあると考えられますが、今回、労働者は、適応障害を理由として休職する旨を述べているということですので、連絡が取れないという事情があるとはいっても、欠勤状態であるとはいえない可能性があることも留意しておく必要があります。
そこで、まずは、会社が知りうる労働者の連絡先に対して通知を行い、現在の体調、通院の状況、復帰の時期などを報告して欲しいと伝え、その回答を待って、その後の対応を考える必要があるのではないかと考えます。(回答がないという場合には、就業規則に自動退職などの規定があるかにより対応方法が異なります。)
懲戒解雇は、使用者の判断によって労働者に対して行うことができますが、要件を充たさない場合、無効であると争われる可能性があることから、慎重な対応が必要であると思います。