発信者情報を特定する時に

フェイスブック等のSNSにてなりすましなどの特定を行う場合、
ログイン時のIPアドレスが不可欠になると思うのですが
なりすまし相手が長期間ログインしておらず、フェイスブック側でもログ保存期間を過ぎてしまっている場合でも特定はできるのでしょうか?
また、なりすましがアカウントを削除する時のログイン時のIPアドレスがわかれば特定は可能でしょうか?

また、コンテンツプロバイダに開示請求をした時にわかるIPアドレスとタイムスタンプが複数ある場合、それら全てが提出されるのでしょうか?(例として、4月1日に携帯からログイン、4月8日にパソコンからログイン…という風に)
さらにアクセスプロバイダが複数ある場合どうやって絞るのでしょうか?(携帯経由だけでなく、フリーWi-Fiなどを経由して接続した場合等)

質問多めで恐縮ですが、宜しくお願いします。

フェイスブック等のSNSにてなりすましなどの特定を行う場合、ログイン時のIPアドレスが不可欠になると思うのですがなりすまし相手が長期間ログインしておらず、フェイスブック側でもログ保存期間を過ぎてしまっている場合でも特定はできるのでしょうか?
→なりすましアカウントにおいて,なりすまされた人の権利を侵害する発信行為がなされたことを前提に回答します。当該発信行為の直前のログインにかかるログが,フェイスブックに残っていない場合には,特定は難しい場合が多いです。

また、なりすましがアカウントを削除する時のログイン時のIPアドレスがわかれば特定は可能でしょうか?
→アカウント削除時等,発信行為の後のログインにかかるログでも,開示請求を認める裁判官も全くいないわけではないのですが,現在の大多数の裁判官は,上記のとおり,発信行為の直前のログインにかかるログでなければ,開示請求を認めないと思われますので,特定は難しいかと思います。

また、コンテンツプロバイダに開示請求をした時にわかるIPアドレスとタイムスタンプが複数ある場合、それら全てが提出されるのでしょうか?(例として、4月1日に携帯からログイン、4月8日にパソコンからログイン…という風に)
→開示請求者が開示請求の対象ログをどのように特定するかによります。たとえば,特定の日付以降,開示請求の決定が送達された日までの間にログインした際のIPアドレス,といった形で特定した場合には,ご推察のとおり,当該期間のログインログのうち,コンテンツプロバイダが保有しているログの全てが開示されます。

さらにアクセスプロバイダが複数ある場合どうやって絞るのでしょうか?(携帯経由だけでなく、フリーWi-Fiなどを経由して接続した場合等)
→基本的には,当該発信行為の直前のログインにかかるIPアドレスを割り当てたアクセスプロバイダに開示請求を行います。

質問にお答えいただき、ありがとうございます。
それでは、なりすましのアカウントが3月31日に削除されたとして、何日以内に発信者情報開示の仮処分を出さないと特定できなくなってしまうのでしょうか?
単に同姓同名で特徴が似ている、趣味嗜好が似ている程度のなりすましで、権利が侵害された事が明らかとはいいにくいけれど
(例・本人になりすましたつもりでコメント投稿したり、日記をつけたり、当人を誹謗中傷するような投稿)が無い場合
発信者情報開示の仮処分は通るのでしょうか?

当該発信行為の直前のログイン=権利を害する投稿の直前のログインという事でしょうか。なりすましの場合はどのログイン情報が開示されますか?

それでは、なりすましのアカウントが3月31日に削除されたとして、何日以内に発信者情報開示の仮処分を出さないと特定できなくなってしまうのでしょうか?
→仮処分の申立て自体は,削除から1か月以内に行えても,仮処分決定時に,削除から1か月を経過した場合に,発信者情報が開示されなかったケースがあると聞いたことがあります。そのため,「何日以内」と断言はしかねますが,仮処分決定がなされ,当該決定がフェイスブック側に届く期間も考慮すると,25日以内に仮処分決定が出ることが望ましいと思います。

単に同姓同名で特徴が似ている、趣味嗜好が似ている程度のなりすましで、権利が侵害された事が明らかとはいいにくいけれど
(例・本人になりすましたつもりでコメント投稿したり、日記をつけたり、当人を誹謗中傷するような投稿)が無い場合
発信者情報開示の仮処分は通るのでしょうか?
→現状は,本人になりすましただけでは,仮処分は通らず,なりすまされた本人の権利が明らかに侵害されている必要があります。

当該発信行為の直前のログイン=権利を害する投稿の直前のログインという事でしょうか。
→ご推察のとおりです。

なりすましの場合はどのログイン情報が開示されますか?
→既述したとおり,開示請求者が開示請求の対象ログをどのように特定するかによります。

わかりやすくお答えいただき、ありがとうございます。

当該発信行為の直前のログインにかかるログが,フェイスブックに残っていない場合には,特定は難しい場合が多いです。
→その場合は、削除時のアカウントのタイムスタンプを使って特定できますか?

特定する流れとしては、裁判所に消去禁止の仮処分の申し立て→仮処分が認められるor認められない
という感じになるのでしょうか。
アカウント削除後すぐに申し立てをしたとしても、削除後の25日以内にスムーズに仮処分決定が出るという事はあるのですか?
フェイスブックは海外法人なので時間がかかると聞きました。
それに、消去禁止の仮処分の申し立てをした時に「権利侵害があるとまでは言えない」として棄却されることもありますか?

削除時のアカウントのタイムスタンプを使って特定できますか?
→できません。開示の対象となるログイン情報は,権利侵害にあたる発信行為の直前のログインに限られるという理解が,実務では多数です。

特定する流れとしては、裁判所に消去禁止の仮処分の申し立て→仮処分が認められるor認められない
という感じになるのでしょうか。
→削除禁止の仮処分を申し立てても良いですが,基本的には,開示仮処分を迅速に行うよう努める方がベターかと思われます。

アカウント削除後すぐに申し立てをしたとしても、削除後の25日以内にスムーズに仮処分決定が出るという事はあるのですか?
フェイスブックは海外法人なので時間がかかると聞きました。
→アカウント削除後すぐに申立てを行い,迅速に決定まで進めて欲しい旨の上申書を出せば,当該期間内に仮処分決定がなされることが多いと思います。

それに、消去禁止の仮処分の申し立てをした時に「権利侵害があるとまでは言えない」として棄却されることもありますか?
→もちろんあります。

回答は以上とさせていただきます。

回答頂きありがとうございました。
参考にさせて頂きたいと思います。