相手方に名誉毀損の被害が見受けられない場合は、意見照会書を非開示にしてもいいですか?

私は数ヶ月前のインターネット上の誹謗中傷じみた内容を匿名掲示板に投稿してしまい、いずれ開示請求を受ける可能性が高い立場にいますが、
もし万が一プロパイダから意見照会書が届いた際には、誹謗中傷からその間までの被害者の方の普段のTwitterの投稿内容やLive配信での態度を提示することで、「この方は誹謗中傷による重度の精神的苦痛や社会的損害が起きたとは考えづらい」という趣旨の回答を送ろうかと今から考えています。

ですが、ネット上の名誉毀損では起きた被害を問うよりも、名誉毀損があった事実の方が重要視されると聞きました。
例えば上記のような意見書をプロパイダや裁判所に送ったとしても、個人情報非開示に持ち込めるのでしょうか。

発信者情報の開示請求においては,請求者が被っている精神的苦痛の程度は特に問題とはならず,また,実際に社会的評価の低下が生じていることまでは求められず,客観的に社会的評価の低下が生じる可能性がある,という程度で足りますので,投稿内容に違法性があれば,投稿後における,請求者の言動を指摘しても,非開示に持って行くことは非常に難しいです(ただし,その後慰謝料を請求された際に,慰謝料を減額する事由にはなる可能性があります。)。

石丸先生、わかりやすいご指摘ありがとうございます。

それですと、意見照会書が届いた後に、こちら側との弁護士と打ち合わせた上での反論によって非開示判決がでるというケースには、少ないでしょうがどのような場合があるのでしょうか。

ご指摘のとおり,意見照会書の提出により,裁判所の心証が変わり,非開示の判決が出るということは,多くはありません。
たとえば,名誉毀損の場合には,「うえき様が投稿した内容と,同旨の投稿を開示請求者が過去に行っていた」と反論することで,うえき様の投稿以前に,開示請求者の社会的評価が既に低下しており,うえき様の投稿により新たな社会的評価の低下がない,と判断される可能性があります。
他に,プライバシー侵害の場合には,「開示請求者がプライバシー情報であると主張した情報について,うえき様の投稿以前に,既に開示請求者自身が公開していた」と反論することで,当該情報は,既にプライバシー権として保護されるものでない,と判断される可能性があります(経験上,実際にありました。)。

ご回答ありがとうございます。

>>たとえば,名誉毀損の場合には,「うえき様が投稿した内容と,同旨の投稿を開示請求者が過去に行っていた」と反論することで,うえき様の投稿以前に,開示請求者の社会的評価が既に低下しており,うえき様の投稿により新たな社会的評価の低下がない,と判断される可能性があります。
このお言葉で少し思い出した話があるので、もう少しだけ質問しても良いでしょうか。

これは相手の方に実際にあった話なのですが、過去にDMなどで殺◯予告を含めた過激な誹謗中傷を受けた際に、私生活が忙しかったなどの理由でそのまま黙殺されたことがあったようです。
私からの誹謗中傷は明らかにそれよりもレベルが低いはずなのですが、過去により過激な誹謗中傷を相手方が黙殺していたことを証明した場合は、同上の理由で非開示判決となる可能性があるのでしょうか。