収入/財産が不明確な場合の離婚時の財産分与について

Question

30代の者です。
現在両親 (共に60代) が離婚裁判をしており、父から母への財産分与に関するご相談です。
私は母親側についてサポートをしていますが、以下2点についてご助言いただけると大変助かります。

＜現在の状況＞
・父親が数年前から別の女性と不倫しています (父親も認めています)
・父親は「離婚の原因が母親側にある」と主張して、父親側から母親に対して離婚を求めて訴訟を起こしています
・現在高裁にて係争中ですが、判事からは「離婚の原因は父親にあるため、今回の裁判では離婚を認めないと判決を出す予定」と頭出しを受けています
・母親側は財産分与を前提に離婚をする意思があり、別の訴訟で離婚と財産分与を求めようとしています
・その一環で父親側に財産一覧を出すよう要求したところ、「応じられない」の一点張りで、 全く財産分与の意思がない状況です
・なお父親は開業医で、病院で資産を保有しているようですが、母親側からは年収/資産ともにほぼ情報がない状況です

＜相談したい事項＞
①父親の年収/資産が分からない状況において、どのような基準で財産分与額を算定したらいいでしょうか
　－ケースバイケースとは思いますが、判例など含めてもし基準や考え方があればご教示いただけると助かります
②子供 (私/兄) から父親に生前の財産分与の要求をすることは可能でしょうか
　－父親と不倫相手はかなり浪費をしているようで、現在は祖父母の遺産もありかなりの財産を保有していますが、父親の死亡時に本来は私/兄が相続すべき財産が全くなくなることを懸念しています
　－こちらは正直どうしようもないのではとは考えていますが、もしいい方法があればと思いお伺いしました

内藤 政信 弁護士 · Accepted Answer

１，双方に弁護士がついているでしょう。
文書送付嘱託や調査嘱託、文書提出命令を使うケースでしょう。
文書提出命令に応じなければ、相手は不利な判断をされても仕
方がありません。
そのようにして、分与割合を引き上げることになりますね。
判例は、調査していません。
悪しからず。
２，不可能ですね。

村山 大基 弁護士 · Answer

以下の通り一般論として回答いたしますが、すでに一審の判決も出ているようですので、
可能なら訴訟資料を持って面談相談に行った方がいいと思います。
別の訴訟で離婚を求めるとのことですが、今係属している訴訟で和解を持ちかける方法もありえます。

①父親の年収/資産が分からない状況において、どのような基準で財産分与額を算定したらいいでしょうか
　－ケースバイケースとは思いますが、判例など含めてもし基準や考え方があればご教示いただけると助かります

裁判官から、離婚が認められなさそうだという見通しが示されているなら、財産分与次第では離婚に応じると和解を持ちかけてはどうでしょうか。普通は、財産分与の判断に必要だから裁判所から資料出してくださいと当事者に言われると思います。

いずれにせよ、ネット上では詳しい事情を聞いたり資料を見たりできないため、裁判資料や、今までの経過を伝えて面談相談に行ってみることをお勧めします。

②子供 (私/兄) から父親に生前の財産分与の要求をすることは可能でしょうか

要求自体は可能ですが、父親に強制はできません。ご指摘の通り、お亡くなりになった後は相続が発生しますが、生きている父親が自分の財産をどう使おうと文句を言うのは難しいです。財産を持たずにお亡くなりになった場合、相続ができないのはやむを得ません。