動的な詳細検索サイト作成に伴う法律等の違反性はありますでしょうか

クラウドソーシング求人の詳細検索サイトを構築しようと考えています。
具体的にはパブリックに発信されている各クラウドソーシングサイト(ランサーズ等)の求人情報をクローラで収集し、情報を自社サーバーに保存します。
自社サイトではグーグルの検索サービスのようにタイトルおよび2~3行程度の概要に加えて金額、引用サイト等を一覧表示し、ユーザーは複数サイトの求人をひとまとめに見れるというサービスです。(この際、画像の表示はなし)
ユーザーが詳細を見たい場合や応募する場合は概要リンクをクリックすると引用元のクラウドソーシングサイトに飛ぶ形です。
あくまでグーグルの検索サービスでヒットするようなパブリックなクラウドソーシングサイトに掲載されている求人情報のタイトルや概要等のみを一覧表示する検索サービスという形となっており、詳細情報、非公開求人などは公開いたしません。

①検索サービス構築の際に、自社サーバーに求人情報の概要等を保存し、そのサーバーから背景で紹介したような情報を表示することは問題ないでしょうか。
②このサービスを構築するにあたり不法行為、著作権に違反する可能性はございますでしょうか。
③その他違反する可能性のある法律、起訴された前例ございますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

2019年から施行されている著作権法第47条の5第1項第1号、いわゆる「所在検索サービス」に該当する軽微利用に相当するものと評価されれば、著作権法上の問題は生じないと思います。

以下の情報をご覧ください。細かい遵守条件などは、政令、省令に規定があるので注意してください。
著作権法の一部を改正する法律 概要説明資料(平成30年改正法)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/pdf/r1406693_02.pdf
平成30年著作権法改正に伴う政省令改正の概要
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/pdf/r1406693_05.pdf
著作権法施行令(第7条の4をご確認ください)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345CO0000000335
著作権法施行規則(第4条の4、第4条の5第2号をご確認ください)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345M50000080026

佐久間様
返信ありがとうございます。
所在検索サービスに該当する可能性があるということで承知いたしました。

もう1点伺いたいのですが、仮に法律をクリアしているもののサイトの規約に違反している場合は何かペナルティがございますでしょうか。

クローラー対象と考えているサイトにおいて以下のような利用規約がございますが、今回行うところで言うと2次利用にあたり、規約に違反しています。
適用範囲は「利用する個人及び法人」ということで同意していなくても適用する印象を受けました。
クロールする際は会員登録は行わず、その他規約に同意するなどの確認をしていない状態で行う予定ですが、この場合でも規約に違反している場合、訴訟されたりといったことございますでしょうか。(著作権などの法律はクリアしているものとする)
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本規約は、〇〇(以下「弊社」といいます。)が提供する、個人間や個人と法人間で仕事が直接取引できる仕事マーケットプレイス「〇〇」(以下「本サイト」といいます。)を利用する個人及び法人(以下「ユーザ」といいます。)と、本サイトを利用するために会員登録を行った個人及び法人(以下「会員」といいます。)との利用条件を定めるものとします。

[禁止事項]
本サイト若しくは本サイトの一部(コンテンツ・情報・機能・システム・プログラム等)を使用・転用・転売・複製・送信・翻訳・翻案などして、いかなる手法を問わず商業・営業目的の活動、営利を目的とした利用及びその準備を目的とした利用をすること、その他本サイトの2次利用や複製行為
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著作権法第47条の5は著作権者の権利制限規定で、著作権者の許諾を得ない利用でも著作権侵害と評価しないという例外規定です。クローラー対象としているWebサイトに掲載されているコンテンツには基本的にサイト運営者の著作権があると考えられるので、その複製等の利用については許諾を得るのが原則です。形式論からは、当該サイトの利用会員にならなければ会員規約に縛られることはないとの立論が可能とも言えますが、当該サイト運営者が明確にコンテンツの利用方法について禁止の意思表示をしていることは、不許諾の意思表示と考えられますから、いきなり提訴されることはないとしても計画されているサービスが認知された後、当該サイト運営者から著作権侵害を理由とするサービス停止要求が出されるリスクがあると思います。そのリスクを覚悟の上で、ばれたら逃げるという覚悟でサービスを始めるというのも一つの選択肢かもしれませんが、一般論としてはお勧めできません。これから予定されているサービスが当該サイト運営者にとってもメリットがあるビジネスモデルであるなら、そのことを積極的に説明して正式に許諾を得る方向を考えるのが正攻法かと思いますが、当該サイト側にはメリットがないビジネスモデルなら許諾はされず、それでもサービスを開始すると権利侵害を認識しながらサービスを始めたとして、法的紛争になった場合は損害賠償責任の認定において不利な判断を受ける可能性が高いです。

佐久間様
ありがとうございます。
勉強になりました。
サービスに関しては考え直そうと思います。