証券会社側のシステムエラーに起因する損失をどうしても補償させたい。

以前、某証券会社でCFDという取引をしており、預けている金額を出金しようとしました。
「証拠金が足りなくなるので出金できません」と表示が出て、本来は損切りしなくてもいいポジションまで仕方なく決済したのですが、
証拠金は足りていたはずなのにおかしいと思い問い合わせたところ、実際には証拠金は足りていて、「証拠金が足りなくなるので引き出せません」というのは誤表示だったとその証券会社から後で回答がありました。とにかくお金が入用だったので「ならばすぐ出金してほしい」と伝え出金手続きをさせました。

こちらからは「誤表示を見ていなければ損失が出ている状態のポジションを決済しなかったし、もしそのポジションを持ったままにしていたら後に利益が出ていた。少なくとも損失補填を、そして可能なら逸失した利益を補償してほしい」と伝えましたが、「一切そのような対応はできない」と言われました。

システムの誤表示があったことを認めているのに損失補填しない理由を問いただしたのですが、
「その時出金できなかったのかもしれませんが、お問い合わせ後に弊社スタッフの手動での対応で出金できたので」という、筋の通っていない非常に不誠実な回答でした。

金融庁の苦情受付の窓口にも問い合わせましたがこのようなケースで補償をさせるのは難しいと言われました。
でもどうしても納得できません。

少額訴訟をすればこの時の損失は取り返せますか?

証券会社が損失補填ができるケースと範囲は限られていますので、ご記載いただいた事情において損失や逸失利益の補償を求めるのは難しいように思います。証券会社に請求できるとしたらシステムの誤表示によって預託金の出金が遅れたことに関する遅延損害金程度のように思います。遅延損害金は、約款等で特別の定めがなければ、出金が遅れた日数について、出金できなかった金額に年3%を乗じて日割計算です。

預託金を出金できないことによって被った損害は金銭債務の不履行によって被った損害にすぎないので基本的に民法419条で処理されるため、それによってあなたがポジションを決済せざるを得なかったとかいう個別的な事情は勘案されません。そもそもお金がどうしても必要であればポジションを決済せずにお金を借りたり、証拠金不足になっていないのであれば再度ポジションを取り直したりすればよかっただけの話のように思います。

その意味では、証拠金不足になっていないことが分かった時点で再度ポジションを取り直していれば、それによって余計にかかった手数料等であれば補填してもらえたかもしれません。相場が逆に動いていた場合はさらなる損失を避けられていた可能性もあることからすれば、証券会社が、あなたがポジションを取り直してもいないのに後からポジションを持ち続けていたら損失どころか利益が出ていたはずだという主張を認めて補填してしまうのは損失補填の禁止に抵触するように思います。