相続における15年前の借用書の効力について

母親が亡くなり弟と遺産分割協議中ですが、弟が「母から兄(私)への200万の借用書が出てきた」と主張しています。

日付は15年前になっているそうですが、「現物)(証拠)を見せて欲しい」と申し伝えても「返済した事実はあるのか?」など埒が明かない状態です。実際200万など借りていれば覚えていないわけがありませんし、もちろん借用書など書いた覚えもありませんので、相手から借用書現物の提示があるまでとりあえず放置するつもりですが、借用書には時効があると聞きました。

そもそも、相続人が被相続人から15年前に借りた借用書が存在したとして、その借用書は時効が成立しないのでしょうか?

また、時効が成立する場合、相続人はそれを特別受益として主張できるのでしょうか?

債権の相続ですね。
時効ですね。
借金は特別受益にはあたらないですね。
特別受益は生計の資本などの贈与でかなり限定されてますね。

内藤先生さっそくのご回答ありがとうございます。

仮に借用書があったとしても、私はその借用書を書いていませんので、その借用書は偽造ということになりますが、時効が成立しても、時効の援用をしないと返済義務はなくならないと聞きました。

借用書を確認する前に援用をしたら、借金をした事実を認めることになってしまうので、時効の援用をするとしたら、その借用書を見てからでも遅くありませんか?

お母様からあなたへの200万円の借金が存在する場合、遺産分割との関係では、お母さんのあなたに対する貸付金請求権が遺産となります。
ただ、貸付金請求権のうち2分の1についてはあなたが相続することになりますので、弟さんがあなたに対して100万円の貸付金請求権を有するということになります。

また、15年前に借りたということですと、すでに時効にかかっていますが、お母様はあなたに請求することなく債権を時効にかからせたことは、債務免除と同様に考えられますので、あなたに対する特別受益に該当する可能性があります。

もっとも、あなたは借用書にサインしていないとすると、借用書の筆跡があなたの筆跡ではないことは容易に証明可能かと存じますので、借金の存在自体を争えば良いと思います。

借金をしていないのですから、時効の援用も不要と存じます。

理崎先生ありがとうございます。

債務免除=贈与=特別受益という解釈で宜しいでしょうか?

いずれにしましても、私は借用書を書いていませんので、借用書が存在するならそれは何者かによる偽造という事になり、相続とは別の問題が発生することになりますね。

>債務免除=贈与=特別受益という解釈で宜しいでしょうか?

そのようなご理解でよろしいかと存じます。

借用書の偽造については、偽造した人物が特定できるかどうかが重要ですね。

理崎先生ありがとうございます。
特定は難しいかもしれませんが、そのようなスタンスで協議に挑む所存です。