賃貸人の修繕義務違反に対して訴訟を起こす場合、有効な訴訟方法はありますか?

賃貸アパートで、賃借人の故意・過失がない破損があり、賃貸人に補修するように伝えましたが、拒否されました。賃借人自身では修理費用が工面できす、修理してその費用を賃貸人に請求する方法がとれません。ですので、賃貸人の補修の義務違反に対して訴訟する場合、修繕義務違反に対する履行の強制と、債務不履行と不法行為による慰謝料の請求で対応できますでしょうか?

質問者様に故意過失がないとのことで,修繕義務を履行するよう訴訟を行うことは可能です。
また,賃貸人の債務不履行による損害賠償を請求することも可能ですが,その場合には,いかなる損害が発生したのかを具体的に立証する必要があります。
たとえば,店舗経営をしており,窓ガラスが補修されないため,営業ができなかったというのであれば,営業不可能な期間,そして別の物件を探す期間等の営業損害について請求できる可能性はあります。
しかし,単に壁に傷がある等,生活するのに特段影響の出ない事柄であれば,質問者様に特段の損害が発生したとは言えないため,損害賠償請求は困難でしょう。

最終的には,損害の額や,建物の損耗の程度等も含めて,どのような手段を採ることが適当か判断することになりますので,訴訟を考えられているのであれば,お近くの専門家に相談することをお勧めいたします。

坂井先生、お忙しいなか、ご回答ありがとうございます。
ベランダの仕切り板が人が通れるくらい破損しており、簡単にこちらのベランダに入って来れる状態のため、隣人がこちらに入って来ないか心配であることと、ここ数ヶ月の間で福岡市で同じアパートの住人が違う部屋に侵入する事件が起きており、自分も同じ目にあうのではないかという恐怖のため、心療内科で適応障害と診断されました。法テラスにて、賃貸借契約書などを持参のうえ、弁護士にご相談しました。その結果、調停で補修請求と慰謝料の請求しましたが、不調に終わり訴訟を考えるにいたりました。訴訟の件も法テラスにて弁護士に相談し、賃料減額請求をすすめられましたが、賃料減額請求について調べたところ、賃料減額の金額を出す際に不動産鑑定士が必要になるとのことで、高額な報酬を払わなければならないと知り、他の方法がないかと、このサイトでご相談している次第です。
修繕義務を履行するよう訴訟をすることは可能ということですが、履行の強制をする場合、本件では間接強制は適用できますでしょうか?
お忙しいと思いますが、ご回答よろしくお願いいたします。

履行の強制についてですが,訴訟を行い,判決文を得ることで,強制執行を行うことは可能です。
そして修繕義務履行について,間接強制という手段によって強制執行を行うことも可能です。

ただし質問者様は費用をかけられたくないとのことですが,訴訟を行い,強制執行手続を行うにおいても専門家の力を必要といたしますし,
今回の件において,不動産鑑定士に依頼する費用と同程度以上の費用は発生するのではないかと思います。

したがいまして,賃料減額請求をするにしろ,修繕義務履行を請求する訴訟にしろ,費用面での障害はありますので,ご留意いただければと思います。

坂井先生、お忙しいなか回答していただき ありがとうございます。
修繕義務違反に対して、間接強制という強制執行を行うことも可能なんですね。
これでようやく道筋が見えました。ありがとうございます。
どちらにせよ、高額な費用を工面する必要があるんですね。
明らかに賃貸人の義務違反で、私は被害を受けており、どうにかして報いを受けさせたいと思いますので、自力で訴訟ができないか、検討してみたいと思っています。
お忙しいなか真摯に答えてくださり、とても感謝しております。ありがとうございました。