社員をクビにできるのか知りたいです。

会社の社員をクビにすることができるのかを教えて頂きたいです。
私が経営する会社の従業員が仕事の納期を1度も守ってくれたことがありません。
今までもかなり迷惑がかかってきましたが、最近この社員のせいで300万円の契約が無効になり、金銭的な損害が発生しました。
しかし、この社員には反省の色が全く窺えません。
いつまでもこの人のせいで金銭的損害や仕事の遅延が生じるのはしんどいです。
クビにすることはできるのでしょうか。
回答、よろしくお願い致します。

解雇の方法としては懲戒解雇と普通解雇が考えられます。

もっとも、いずれの解雇も有効であると認められるためには、様々な考慮が必要ですので、慎重な対応が必要です。
例えば、懲戒解雇は就業規則上に懲戒事由に関する規定が必要ですし、懲戒解雇、普通解雇いずれにの場合も、解雇には合理的な理由が必要です。

また、解雇ではなく、退職勧奨を行い、退職合意書を締結することで任意の退職を促すという方法もございます。

いずれの方法につきましても、慎重に対応を検討した上で、順を追って手続きを行わなければ、事後的に当該従業員から不当解雇等として争われるリスクがございますので、一度個別に弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。

少なくとも一般論としては、会社は、納期を守らない従業員であることを把握しているのであれば、進捗管理を徹底したり、他の従業員をサポートにつけたり、そもそもその従業員にはサブ的な仕事しか割り当てないようにしたり、取引先に迷惑がかからないような態勢をとるべきのように思われますので、その従業員のせいで300万円の損害が生じたからといって直ちに解雇できるわけではありません。

いずれにせよ、解雇権濫用法理(労働契約法16条)のもと、解雇権の濫用であるとして無効になる範囲は広範ですので、弁護士に相談の上、後日紛争にならないように退職勧奨や退職勧奨が奏功しなかった場合の解雇に向けての戦略を練る必要があるかと存じます。

様々なことをご教授くださり、ありがとうございます。
重ねての質問になり申し訳ないのですが、このような社員に対して解雇するための合理的な理由とは、どのようなものがあるのでしょうか。
また、進捗状況を見るために毎日コミュニケーションをとっているにも関わらず、「間に合うから大丈夫」などと言い続けて陰でゲームをしていたり、他の従業員と連携することができる環境を作り、私自身もかなりの頻度で手伝うことがあれば何でもすると声をかけているのにもかかわらず「手伝わなくていい。一人でできる」と言われて他の社員とも連携を取ることを拒否し続けられているのですが、このような場合も解雇することができないのでしょうか。

イメージとしては、「会社が当該社員のためにできることを可能な限り行ったにもかかわらず効果がなかった」ということを証拠に基づいて主張することができれば、解雇に「合理的な理由」があるものと認められる可能性が高まります。

可能であれば、個別に弁護士に相談し、具体的にどのような対応を行っていくべきかを細かくサポートしてもらうことが望ましいのですが、例えば、コミュニケーションの内容、指導の内容、それに対する当該社員の反応等を細かく記録に残すことや、当該社員でも問題なくできそうな仕事を中心に割り振る(場合によっては人事異動等)といったことを丁寧に行っていくことが重要です。

あらかじめ定められた労働時間中にゲームをしていて、注意しても改善されないのであれば、基本的には解雇を正当化しうる状況のように思われますので、あとは後日紛争になっても負けないような方策を講じた上で退職勧奨や退職勧奨が奏功しなかった場合の解雇に踏み切れば良いかと存じます。

どのような方策を講じれば良いかについては、より詳細な事実関係が分からないと判断が難しい部分がありますので、弁護士に相談することをおすすめいたします。

>このような場合も解雇することができないのでしょうか。

最終的には裁判官の判断ですが、仮に相手から解雇はおかしいと争われた場合に、そのような事実を裁判で立証できるか、
という点も検討した方がいいと思います。

例えばですが、ゲームをしていて納期が遅れたなら、その際
「勤務中ゲームをしていたこと、そのせいで遅れたことについて謝罪します、勤務中二度とゲームはしません」などと
一筆書いてもらうことは考えられます。

いずれにせよ、ネットでは限界があるので、面談相談に行ってみることをお勧めします。