著作権、著作権人格権についての相談です

ココナラでイラストの制作サービスを販売しています。
先日サービスの依頼を受け、「商標登録及び著作権譲渡のオプション」を購入いただきました。
※商標登録の許可をしたという意味です
※例として「縄跳びをしたうさぎ」という文章で依頼を受け、イラストを制作した場合です。
「縄跳びをしたうさぎ」の絵の写真が送られてきて、パソコンで同じように書いてください。と言われたわけではございません。

著作権についてですが、私製作者側は「著作財産権」のみのつもりでしたが、依頼者側は「著作者人格権」も購入したと判断しているようです。

著作者人格権は法律上譲渡できない権利とされていますし、
「著作者人格権を行使しない」と製作者側が発言しない限り、著作者人格権に反する行為(例えば、表情などの修正を行う行為)を依頼者側が行った場合は著作権侵害しているという判断でよろしいでしょうか?
さらに提出したイラストをこれ以上公表されたくないと思う場合、要求できる権利はありますか?
商標登録についてもご購入いただいているので、そのような権利は依頼者側にないのでしょうか。それとも別物と捉えていいのでしょうか。

また、制作したイラストを製作者側が実績として公開する承諾を得る行為、依頼者側の自作発言、再販目的を禁止する行為は製作者として問題ないでしょうか。

ご回答いただたけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

翻案権については明示していなかったのであれば著作権法61条2項によって譲渡の対象になっていないと推定されます。逆に公表については著作権法18条2項1号により同意したものと推定されます。

他方、それ以外の実績公開や再販目的禁止等については基本的に契約の解釈によります。

理解力が乏しく申し訳ございません。
著作権法18条2項1号により同意した、についてですが
著作者人格権を持っている製作者側が制作物を公表されたくないと思う場合、要求できる権利はあるということでしょうか?

こんにちは。著作権と著作者人格権についてご自身でもかなりお調べになったのですね。わかりにくく思われている点につき解説できればと思います。

まず、お書きになられているとおり、著作権と著作者人格権は別物であり、著作者人格権は譲渡することができません。
ですので依頼者の言う「著作者人格権も購入した」という言い分は法律上正しくありません。

問題はあなたと依頼者との間の合意内容として「著作者人格権を行使しない」という取決めになっていたかどうかということですが、通常は「著作者人格権は行使しません」と発言したり、契約書に書いたりしていなければ著作者人格権は著作者が行使してもよいと判断されるでしょう。

著作者人格権の中には同一性保持権というものがあります。
これは著作者(=あなた)の無断で著作物(=イラスト)を改変されないという権利というです。
依頼者が無断でイラストのキャラクターの表情を修正するとあなたの同一性保持権を侵害したことになります。
この点はあなたがお書きになられているとおりです。

著作権を譲渡してしまっているため、そのイラストを依頼者が公表したり使用することは自由です。
著作者人格権の中には公表権というものもありますが、これは未発表の作品を無断で公表されないという権利なので今回のケースでは当てはまりません。

あなたが制作したイラストを依頼者が「自分の自作だ」と発表する行為については、著作者人格権の中の一つである氏名表示権を侵害する可能性があります。
「依頼者の自作として公表してよい」という取決めになっていれば別ですが、そうでない場合は原則として著作者であるあなたは自分の名前をイラストに表示するよう要求できます。

他方、依頼者には著作権を譲渡してしまっているので依頼者による再販を禁止することは難しいでしょう。
ただし、この場合も「再販するなら私の作品だときちんと表示するように」と要求することはできます。
あなたには氏名表示権があるからです。
なお、依頼者との取決めで「再販禁止」の合意があればもちろん再販は禁止だと言えます。

あなたの実績として作品を公開するために著作権を持っている依頼者の承諾が必要です。承諾してほしいと交渉することは自由ですが応じてくれるかどうかは相手方次第です。

ご参考になれば幸いです。

ご回答いただきありがとうございます。
分かりやすいご回答、非常に助かりました!
公表権については、未発表の作品についての権利ですね!
今回のことを踏まえ、今後分かりやすい説明をしたうえでサービスを販売しようと思います。本当にありがとうございました!