貞操権の侵害にて、慰謝料請求されようとしています。
既婚者ですが、あるアプリで(出会い系やマッチングアプリでない)独身と偽り、2人の女性と肉体関係を持ちました。1人は現在まで半年ほど続きました。この方は当初より恋人がおり、現在も交際しておられます。もう1人は2ヶ月ほどでしたが、それからは会ってはいません。この方は私の他に、職場で不倫関係にある男性がおられました。多額の借金があると嘘をつき、交際や結婚は出来ないと伝えていました。ですので、交際の事実はありませんし、もちろん妊娠などの事実もありません。先日この2人に既婚者であることがバレてしまい、その際に連絡を無視するなどの不誠実な対応をしてしまったことがあります。ただ実家に連絡され、このままでは済まないと思い連絡をしました。今は慰謝料を払うように話をされており、それぞれ100万円単位で考えていると言われています。もちろん悪いのは私ですので、相応の慰謝料はお支払いする気持ちはありますが、この額が妥当な金額であるのか分からないです。実は他にも2人親しくなった方がいましたが、連絡のみで会ったことはありません。こちらは慰謝料を支払う対象にはならないと認識していますが、どうでしょうか。
はじめまして、弁護士の寺岡と申します。
貞操権侵害を理由とする損害賠償請求をされるおそれがある、ということですね。
まず、後者の会ったことのないお2人については、直接お会いしたこともないということですから、侵害と認められる可能性は極めて低いでしょう。
次に、前者2人についてです。
既婚者であったことを隠していたわけですから、貞操権侵害に当たる可能性はあります。もっとも、お相手の態様によっては、必ずしも侵害と認められるとも限りません。また、侵害自体認められても、お相手にも交際相手がいる等は減額事由として主張することもありうるでしょう。
それぞれ100万円単位でとのことですが、確かにネット等を見ると、「相場は100~300万円である」というような記事も散見されます。しかし、それより低額のものもありますし、裁判までいかず交渉で終わる話も多くあります。ですから、鵜呑みにする必要はないと思います。
もっとも、ご本人で交渉をすると、感情を逆撫でする危険もあるでしょう(端的に言えば、おまえにも別の相手がいたんだから安くしろという主張になるわけですから)。したがって、具体的な金額の検討や交渉を踏まえると、弁護士にご相談されるべきと考えます。