不当利得返還請求の要件

先生方、宜しくお願いします。
遺産分割協議前の相続財産である1年間空家状態の家に、今年に入り、他府県に住んでいる相続人Bが、Bの配偶者の親戚を勝手に住まわしています。持分割合は私Aが3分の1、Bが3分の2です。B及びその親戚に対して、2人同時に不当利得返還請求訴訟を行うことを考えていますが、不当利得が否定される場合、どのような理由が考えられますか?
ご教示お願いします。

明渡しを求めるのではなく、金銭請求をされるということかと思われますが、Bは相談者様と共有となっている住宅を単独で使用しているため、ご相談のとおり不当利得返還請求や賃料相当額の損害賠償請求を行うことが考えられます。
相談者様からの請求が認められない場合、相談者様の明示又は黙示の同意があった(と立証できる)、被相続人の意思に従って居住することとなった、といった理由があり得るかと存じます。

匿名A弁護士殿、鹿野弁護士殿、回答ありがとうございました。明示、黙示の同意はありません。Bが主張するには、配偶者の親戚だから、B自身が住んでいるのと同じだと、訳の分からない主張を繰り返しています。(後に、配偶者も居住させる予定だそうです。)Bは親戚から賃料を貰っていなので、不当利得ではないと主張しています。その場合、不当利得返還請求は、親戚に対してのみ可能なのでしょうか? よろしくお願いします。

BがBの配偶者の親戚に利用させる行為は
第三者の利用権の設定ということで
共有物の処分に当たり、共有者全員の承諾がない場合は
無効であるとして、明渡が認められる可能性があります。
(共有物の管理行為だから持ち分の過半数で決められるという
考え方もあります。)
仮に明け渡しが認められない場合は
不当利得あるいは損害賠償請求として
賃料相当額の3分の1をBに請求できると思います。

高島先生、ありがとうございます。
今日、相続人Bと電話にて話をしましたが、Bは「一軒家で部屋が2つあるから、共同で住めばいい。そうすれば、単独使用ではない。」と馬鹿げた主張をして話になりません。そのような主張が通用するのでしょうか。よろしくお願いします。

共有持分に応じた使用は認められますが、一軒家の場合に、部屋が複数あるからといって(建物内で完全に分断されていれば別ですが)他の共有者の使用を妨害してないというようには言いにくいと考えられます。
Bはいずれにしても使用料等を支払う意思がないためにそのような返答をしているにすぎないと思われますので、対処されたいのであれば(弁護士に相談する等もしつつ)、粛々と手続きを進めていくのが良いと存じます。
また、連絡方法も電話の場合には録音を行う等、念のためにやり取りを保全しておくのが望ましいです。

匿名A先生、ありがとうございました。
弁護士に委任して、乗り切ろうと思います。