DVでの婚約破棄、金銭的請求について。

2年ほど前からお付き合いをしていた方との間に子供が出来、婚約していたのですが相手のDV傾向にある性格が理由で婚約破棄になりそうな状態です。

付き合っていた時から何度か口論から身体的なdvを受けたことがあり1度入院もしています。(3針ほど縫う怪我と目の周りに青い痣ができ、1日中目を覚ますことが出来ず解離性障害と診断され精神科を紹介されました。ですが、当時仕事が忙しくきちんと通うことが出来ず今も行くことが出来ていません。)

その時の怪我の写真と簡易的な診断書が手元に残っているのですが、診断書には当時の彼の証言で私が躓いて怪我をしたと救急隊員の方に説明している為、dv等の記載はありません。

その当時は彼のことを庇い、dvの事実を隠して交際していたのですが今回子供が出来、婚約するにあたってこのような事が続くのであれば一緒に生活することは難しいと彼に話をして、dv傾向を治すことを条件に(私の親立ち会いの元、1度でもそのような行動があれば即婚約破棄)婚約し、半同棲していました。

しかし今年の1月頃再び車に乗っており口論になった際、ペットボトルが飛んでくる、車から降りたいと告げると車を歩道にぶつけられそうになり「死にたいんか」と言われる、パニックになりかけていると「いつまでそうしてるの?」等のDVの兆候が見え精神的に耐えられなくなりひとまず実家に帰り親に相談の元、婚約破棄の方向で話を進めています。

彼はその後も私と結婚したい気持ちに変わりはなく、婚姻届を持ってきたりしていますが、先に出産費用を払って欲しいと連絡をすると席を入れていない状態で払う義務は無いと思っているのか返事が帰って来ていない状態です。(元々婚約する際に、私が退職するのでお金が無い等の話もして、出産費用なども払うと承諾済みです。)

私はひとまず未婚の状態で出産になり、彼も産まれれば子供の認知はすると言っていたので大丈夫だとは思うのですが、出産費用も払ってもらえていない今の状態だとしてくれるのかさえも少し不安です。

そこで、質問なのですが

①実際DVが原因で婚約破棄になった場合

・相手から養育費やかかった出産費用、出来れば私が仕事を始めるまでの生活費、以前かかった入院費用、慰謝料等を請求することは可能なのでしょうか?

・入院費に関しては時間が経ってしまっているのですが、出来るのでしょうか?

・他にも請求出来ることはあるのでしょうか?

②DVを受けた時の傷や痣の写真(全てでは無いです)、簡易的な診断書は残しているのですが、それだけでdvが行われていた証拠になるのでしょうか?第三者が見ていた、録音していた訳では無いので、証拠としては薄いのでしょうか?

長くなってしまい、見にくいかとは思いますが困っているのでご回答よろしくお願い致します。

まず、入院されるほどのケガをされた件やそれ以外にもDVを受けていた件については、婚約破棄するかしないかにかかわらず、不法行為に基づく損害賠償請求として入院費用や慰謝料を請求することが可能です。また、婚約破棄される場合は、婚約破棄の慰謝料についても、ご記載いただいた事情を拝見するかぎり、婚約破棄の原因が彼氏のDVにあることは明らかのように思われますので、請求できる可能性が十分あるように思われます。

ケガの写真や診断書のほか、LINEのやりとり等で暴力を振るったことに言及していたり、それを前提とするような内容があればそれらも証拠となり得ますので、取りまとめておいた方が良いかと存じます。いずれにせよ、仮に彼氏がケガはあなたが躓いたときにできたものであると反論したとしても、目の周りに青いアザができるようなケガは通常は殴られたりしないとできないもののように思われるので、彼氏が相当合理的にケガの態様と矛盾なく弁明しないかぎりは、第三者の証言や録音等がなくても十分立証可能なのではないかと思われます。

また、不法行為に基づく損害賠償請求の消滅時効は3年又は5年ですので、約2年以内の出来事であれば、時効により消滅していることはありません。

次に、養育費については彼氏がお腹のお子様を認知すれば、法的にも彼氏に対して養育費を請求することができます。ただ、口約束では反故にされる可能性もあるので、認知をすると言っているうちに胎児認知させておいた方が確実かもしれません。ただ、養育費については、彼氏がDV傾向のあることを考えますと、仮に彼氏と別れた後でも任意に払ってもらえるかどうかは分かりませんので、いずれにせよ、実際に回収するためには法的手続が必要になる可能性があります。

字数制限回避のため、次の回答に続きます。

最後に、生活費については、結婚しないことを前提とすると、婚姻費用分担請求はできないので、あなたの生活費自体を請求するのは法的には理論構成が難しい可能性がありますが、DVや婚約破棄に関する慰謝料請求の中で考慮し、実質的に生活費を確保することは可能のように思われます。

なお、あなたの彼氏に相当深刻なDV傾向があることは明らかで、なおかつ、DV傾向のある配偶者や恋人(特に男性)は、治ることは極めて稀で、むしろ状況次第でエスカレートすることも十分考えられますので、次に暴力を受けた場合は、できるだけ早く最寄りの警察署に行って被害届を提出することもご検討ください。また、やはり彼氏に情があったり、お腹のお子様の父親でもあるということで当面は警察沙汰にしたくないということであれば、現段階においてお住いの都道府県の女性相談センター(配偶者暴力相談支援センター)等に相談されることも考えられます。あるいは彼氏との関係を修復するためにDV傾向を治そうと努力されたい場合は、彼氏に精神科に行ってもらい、医師に彼氏に合った薬を処方してもらい、彼氏に必ず服用してもらう、あなたが服用を毎日チェックする等の対応が必要不可欠な場合もあるように思われます。一般論として、DV傾向は、脳内の神経伝達物質のバランスが悪く感情をコントロールできないことが原因のケースもありますので、薬を飲み続けて脳の器質的な問題を緩和することでしか収まらない可能性が十分考えられるかと存じます。

お腹のお子様が産まれた後であれば、彼氏の一連のDV行為は、あなたご自身に対するDVとなるだけではなく、お子様の前で両親の暴力を見せる点においていわゆる面前DVとしてお子様に対する児童虐待にもあたりますので、ご自身もお辛いでしょうが、お腹のお子様のためにも何とか解決されることを願っております。

遅い時間にも関わらずこんなにも詳しくご返答ありがとうございました。私が出産間近な事もあり、知識も無く何も出来ずにいた状況から1歩踏み出せそうです。

今日親と再び話し合いをし、ひとまずは認知をしてもらう事から始めようという事になりました。

今後の予定では、私も仕事を退職しており収入があらず金銭的余裕がない状態で親も片親、ひとまず私の分の生活費を出してもらって同居しているので弁護士費用が無くひとまず自分達で書類などを作って用意してみようとなっているのですが、自分達で作った書類でも法的拘束力はあるのでしょうか?
万が一、何かがきっかけで裁判になった場合でも自分達で作った書類が証拠になるのであればいいのですが、、

そして、実際に慰謝料等を請求する場合に必要な書類は内容証明書等以外にどんな物があるのでしょうか?基本的に何が必要になるのかも沢山ありどれが本当にいる物なのか分からなくなっています、、。

胎児認知の届出だけであればあなた自身でも先方にうまくお願いする形で実現できる可能性も十分あるかと存じますが、慰謝料請求等に関しては、明らかに先方と対立する形になるため、一般的には、あなたや親御さんだけで先方との交渉をまとめて、合意書を作成するのは相当困難なように思われます。もちろん合意書を作成できれば、法的拘束力が生じ得ます。ただ、訴訟になった場合の証拠としての強さは、内容が不明確であったり、先方の署名押印であることを証明できなかったりすると弱くなる可能性があります。

ですので、本当に別れてもよいということであれば、証拠となり得る資料をまとめて一度弁護士に相談されることをおすすめします。3回までであれば、法テラスの無料相談が使えますし、依頼される場合も法テラスの基準で比較的低額な報酬で、なおかつ、分割払いで依頼できる可能性があります。また、弁護士に相談して先方から慰謝料等を回収できる見通しが高いようであれば、慰謝料から弁護士への報酬を支払えるため、実質的な経済的な負担を抑えることができるかと存じます。

なお、慰謝料等を請求する場合に内容証明郵便は必須ではありません。先方との交渉の仕方やどのような書類を作成しておいた方がよいか、訴訟提起を前提に話を進めた方がよいか等についても、具体的な事実関係に基づいた弁護士のアドバイスを受けられた方が良いかと存じます。