セクハラ示談後なのに、問題を掘り起こされました。

Question

主人が職場で新人女性の教育係として仕事している中、言葉だけによる下ネタだけでしたがセクハラと訴えられ示談書(口外しない事も含む)と示談金15万を支払い解決しました。ところが数ヶ月たった今になってその新人女性がセクハラを理由に退職する事になったそうです。そしてその女性はこの件を本社社長にまで話を広めてしまい、主人は再度社長から酷く怒鳴られ罵声を浴びせられました。おって処分を言い渡すとの事ですが、これだと示談した意味が無いように思えます。そこで…■示談した後でも、会社の指示に従わなくてはいけないのですか？■示談した後でも、セクハラを理由とした退職の場合、更に示談金を支払う義務が発生しますか？■口外しないと契約したにも関わらず、女性は社長に一部始終話してセクハラ問題を掘り起こそうとしています。これに対して主人は黙って見ている事しか出来ませんか？■会社から不当解雇される可能性はありますか？

村山 大基 弁護士 · Accepted Answer

＞明日、再度本社社長と上司と主人とで話し合いをするそうです。その際にもし会社側から今回のセクハラについて詳細を聞かれた時に、示談書には口外しないと契約していますが会社側に一部始終を話してしまって良いのでしょうか？もし会社側の質問に答えてはいけない場合、どのように対応したら良いですか？

一番無難なのは、①事前に弁護士に相談してからにしたい、と伝え、②話し合いを延期してもらってご主人が近くで法律相談に行くことです。

ネット上ですと、示談書も確認できませんし、「言葉による下ネタ」がどのようなものか、示談に至る具体的な経緯、示談後相手が会社に話した内容など、詳しい事情がわかりません。これらの事情がわからずに、相談者さんからの又聞きの情報だけをもとに回答するのは妥当ではないと考えるからです。

大津 秀英 弁護士 · Answer

■示談した後でも、会社の指示に従わなくてはいけないのですか？
＞会社の指示がどのようなものなのか不明なのでお答えがかないません。
■示談した後でも、セクハラを理由とした退職の場合、更に示談金を支払う義務が発生しますか？
＞示談書の内容次第です。通常は示談の際、本件に関して一切の権利義務を双方有しない等の文言を入れるので追加での支払は発生しません。
しかし、単に口約束の示談で示談金を渡したというだけであれば追加で慰謝料を支払うおそれも出てきます。
示談書があるならばその内容をご確認ください。
■口外しないと契約したにも関わらず、女性は社長に一部始終話してセクハラ問題を掘り起こそうとしています。これに対して主人は黙って見ている事しか出来ませんか？
＞口外しないと契約した、とありますが、この点についても示談書や記録はありますか。
あれば口外禁止を約束したのにそれに違反したとして契約違反に基づく損害賠償を請求することが検討できます。
■会社から不当解雇される可能性はありますか？
＞不当と評価しうるかは不明ですが、会社の就労規則記載の懲戒処分に従った何らかの処分が出る可能性はあります。過去に何かしらの懲戒処分を受けていなければ基本的に解雇の可能性は低いと思います。

大津 秀英 弁護士 · Answer

示談したと言う事は、もうその件にお互いが関与しないという事ではないのですか？
＞示談書の文言次第ですが、示談書の作成並びに示談金の支払によって当該事件については今後関与しないことになります。接触禁止や口外禁止をつけたりします。

その女性の発言が原因で会社側から今更処分を受けなくてはならないのが理解出来ませんが、示談後であっても会社側が減給なり解雇なり言ってきた場合には従うしかないのですか？
＞確かに示談したから会社から処分を受けるのは不服かもしれません。
ただ、示談書はあくまでも相手方の女性との間で交わしたものであって、その効力は会社には及びません。
そのため、会社が減給や戒告等をすることは制限されません。あくまでも会社内部の規律の問題となります。
刑事事件で被害者と示談したとしてもそれで刑罰を免れるわけではないのと同じです。
ただ会社の処分をすべて甘受しなければならないわけではないので、会社からの処分が不服であればその点を弁護士に相談されてもよいと思います。

村山 大基 弁護士 · Answer

＞示談したと言う事は、もうその件にお互いが関与しないという事ではないのですか？

示談書自体を読んでいないので断言はできませんが、お書きいただいた事情を読む限り、そういう趣旨の示談書のように思われます。

＞その女性の発言が原因で会社側から今更処分を受けなくてはならないのが理解出来ませんが、示談後であっても会社側が減給なり解雇なり言ってきた場合には従うしかないのですか？

「女性と示談するかどうか」と、「セクハラ問題を起こした社員に対して、会社がどのように扱うか」は、理屈としては別の話です。
そのため、もし会社側の処分に不服がある場合には、会社と争うことになります。

また、口外禁止条項もあるのに、違反して一部始終を伝えた相手に対してなんらかの慰謝料を請求するかどうかは、
示談書も持ってお近くで面談相談に行かれることをお勧めします。