取締役の辞任について。困っています。法律的に問題(リスク)がない辞任の仕方を教えてください。

上場企業の連結子会社で取締役をしています。
子会社で取締役に就任しました。
従業員兼務取締役ではなく取締役です。
その子会社とは役員委任契約を締結しています。
その子会社は取締役会設置会社です。
先日、体調不良で医師から休職の診断を受けました。
仕事を続けながら治療をしていく事も難しいので、まずは健康を取り戻すべく、任期中ですが、辞任したいです。
そこで、子会社の代表と親会社の代表に相談しました。
子会社の代表は、特に問題ありませんでしたが、親会社の代表には、このまま辞任したら負債をどうするのか?最悪、株主代表訴訟になってしまうとも言われ辞任ができそうもありません。
診断結果はセンシティブ(精神的)な理由なので、辞任の相談では診断書やその詳細までは伝えていません。
また役員委任契約書には、年度の途中において、自己都合により職務を放棄しないことと明確に記載されています。
そこで先生方に3つ質問がございます。

1.医師からの診断書と辞任届を提出すれば辞任はできますか?

2.退職ではなく休職という形で対応される可能性はありますか?役員の場合は、一般社員と異なり休職はないと思いますので、例えば役員報酬をゼロにして辞任を認められない等。あるいは望んでいないのに役員を辞任し一般社員で再雇用され休職扱いにされる等。

3.2で可能性がある場合、どのような対応を取ればいいですか?

診断書と辞任届で、辞任できますね。
自己都合により職務を放棄しないとの約定は、
正当な事由がないかぎり、を入れて解釈して結構です。

辞任することは可能です。ただし会社に対する損害賠償債務を追う可能性は完全には否定できません。

辞任を制限する約定の効力については学説が分かれていますが,そもそも無効(辞任は可能)と考える説と,辞任の効力自体は認め,会社に対する債務不履行責任を負わされる可能性があると考える説が有力です。
ただし,いずれの説をとった場合でも,会社にとって「不利な時期」に辞任したときは,「やむを得ない事由」がない限り,会社の損害を賠償しなければならなくなります。
健康上の理由は「やむを得ない事由」の典型ですが,程度によって異なります。

子会社の代表取締役が辞任を認めてくれるのであれば,少なくとも法律上は,親会社(子会社にとっての株主)の承諾は必要ありません。
なお,子会社の代表取締役には,取締役辞任の登記をしてもらわなければなりません。

親会社が株主代表訴訟を提起することは理論上可能ですが,あなたに対して追及できる責任は,あなた自身が会社に対して追う責任(例えば任務懈怠責任)の範囲に留まります。子会社の負債をあなたに負わせることはできません。

実際上問題となるのは,親会社からの圧力により,子会社の代表取締役があなたの辞任に応じてくれない場合ですね。
子会社の代表取締役が全く動いてくれないと,辞任の登記をするためには,最終的には訴訟を提起する必要が生じます。