相続で、揉めてます。

私は59才
息子は33歳、私の持ち家の権利で争ってます。
2012年に妻と離婚。離婚協議書を交わしました。
内容は
慰謝料として100万円。私の不貞が理由のため。
その時ローン残債が残るものの持ち家を
妻に渡す。
住む家の保証や、財産分与としての意味なのですが、その辺のニュアンスは記載してません。
ローン残債があるので、名義変更せず今に至ってます。
ローンは私がちゃんと支払ってます。
ただ、
2017年妻が他界。
長男が遺産相続としてそのマンションはおれのものと主張。
たしかに理屈は分からなくもないが
ふに落ちない。
このケースは
諦めるしかないものですか?
そのマンションは長男が一人で住んでます。
もちろん、彼はなにもマンションのローンに対してお金を支払ってません。

ん。40年働いて買ったマンションなんですが。
妻とは2006年から別居。
なので、僕はいまでも別のマンションに住んでます。
よろしくお願いします。

離婚の際に、その家を財産分与として(元)妻に渡したのですよね。
であれば、妻の権利を相続した息子さんが自己の権利を主張されるのは、おかしくはないと思います。

財産分与であれば、ローンの残債は他界してからも、支払う義務があるのか?もっと言えば財産分与であれば、ローン残債は離婚時以降の義務も必要なのか?
そのマンションが慰謝料も含まれているということなら、わからなくもないけど
そのマンションの対価が明確になってないので
通常慰謝料100万程度と仮定した場合
財産分与が妥当。
ローン残債の件について是非意見を聞きたいです。

ローンは銀行との契約ですので,残債の支払義務は,ローン契約がどうなっているかに左右されると思われます。
財産分与の際に,ローンの名義を前妻に変えていないのであれば,引き続き債務はご相談者様が負担することになると思われます。

もっとも,ご相談内容を拝見すると,ご相談者様にある違和感・不服感は,ご相談者様がローンを支払っているにもかかわらず,ご子息様が家は自分の物だと主張している点にあるように思われます。
この点は,財産分与をどのような趣旨で行ったのか,「家を妻に渡す」の法的な意味合いがどのようなものだったかに左右されると思います。すなわち,「家を妻に渡す」の趣旨が,例えば,「妻に家の使用権を渡す,使用権を設定するという趣旨で,これは妻の生活保障の観点から妻が生きている間は無償で住まわせるという意味だ。あくまでも家の所有権(又は共有持分権)は自分にある!(そのため,離婚後もローンや固定資産税は自分が支払い,名義は自分のままにしている)」ということであれば,所有権(又は共有持分権)は引き続きご相談者様にあるという可能性もあるように思われます。この点は,最終的には,財産分与の合意の趣旨によると思いますが,離婚協議書にあまり具体的に記載されていないようですから,裁判になった場合は,当時の背景事情や状況証拠を踏まえたうえで,ご相談者様の主張とご子息様の主張のいずれが説得的かを裁判官が判断することになると思います(例えば,当時,夫婦の財産状況からして,家の所有権を前妻に渡して,かつ,多額の残債をご相談者様が全額支払うというのは合理的で公平な財産分与ではないということになれば,ご相談者様が有利になる場合もあると思います。他方で,協議書に明確に「所有権を移転させる」等と書いてあったり,養育費やその他の支払いが免除されており,残債の支払いがそれらに代替するものとして合理的な金額になっている場合等はご相談者様としてはなかなか苦しいところが出てくるのではないかと思います。)。

取り急ぎの検討・回答ですので,明日もう少し関連文献等を見たうえで修正が必要あればご連絡させていただきます。

補足すると、子供は離婚時に成人していて、養育の義務はないという状況
おっしゃる通り、生活の保証の為に家を渡す意志だったので、記載してないものの、その意思を主張したいです。
元妻が生きていて生活するなら、ともかく
生活力のある長男にマンションを譲渡するのは、ふに落ちない。
なんとか、財産分与として理解してもらう判断にしたいものです。
すくなくても、離婚時のときのマンションの評価から残債を引いた財産評価額を半分もしくは、例え全額でも、それ以降の
ローン支払いしているマンションの対価の権利は主張したいものです。

田端のマンションで、今は3000万程度になるらしいで、残債が650万
2012年にはその当時の評価額はとても低くて2000万かな。交通の便がかわり最近高くなってしまったようです。
年間120万ローン返済をぼくがやっているわけですが
2012年のときの残債は1000万ぐらいはあったかと、すみません。これは資料はみないと正確な数字は提示できませんが
よろしくお願いします。

補足ありがとうございます。
冒頭にご指摘いただいた事情は確かにご相談者様に有利な事情かもしれませんね。
(また田端はよいところですね。私も以前近くに住んでいましたのでよくわかります。)

この辺の法律判断は,いくらだったら結論がこうなるという一律的な判断が出しにくいところがあります。
個人的には,ご相談者様のご主張がごもっともかと思いますが,反対の意見を持つ弁護士・裁判官もいるかもしれません。
(なお,いずれにしても,婚姻中にマンションを購入している場合,基本的には夫婦の共同所有になるため,単独所有権まで主張することは難しいかもしれません。)

そのうえで,引き続き事実関係や資料を整理しつつ,ご相談者様として,最終的にどうしたいか,今後の方向性を見据えながら検討した方がよいかもしれません。
例えば,
 ①マンションの権利はご子息様に全て譲渡することを見据えて,既払い分のローンを含めてご子息様に負担・分担を求める
 ②マンションの権利は自分のものであり,マンションの売却を念頭にご子息様にマンションの明け渡しを求める
等が考えられます。

そのうえで,話し合いの仕方を考えていきます。
例えば,
 ①の場合,財産分与の趣旨を説明し,マンションの権利が自分にあることを主張しつつ,残債を引き受けるのであれば名義を変えてもよいと提案する(名義がご相談者様のままだとご子息様も売却はできません。)。その際,もし,残債の引受が難しいのであれば,ローンや固定資産税の支払は継続できないかもしれないと示唆する。
 ②の場合,財産分与の趣旨を説明し,マンションの権利が自分にあり,名義を変更するつもりがないことを主張しつつ,マンションの明渡しを要求する。
こと等が考えられます。

なお,単独所有ではなく夫婦の共同所有になる場合は,法律関係がさらに複雑になるため,この辺も整理しながら,進め方を考えていく必要があると思います。
(例えば,共有の場合,共有物分割訴訟という特別の裁判手続があります。)
もし上記のように本格的に交渉することを検討するのであれば,マンションやローンの資料,婚姻の経過なども整理しつつ,弁護士に正式な法律相談をすることをおすすめします。

なお,引き続き訂正・補足すべき事項があれば追記いたします。