開示請求を求められ、不同意にしたい場合の理由について
2020年4月末頃、わたしは株式投資の掲示板を見ていたところ、何年も前から興味を持っていた企業の社長に対する酷い内容の書き込みを見つけました。
○○社長は過去に□□(明らかに犯罪にあたる内容)をしたと、社員達に言って、社員を脅し、パワハラ行為をしている、という内容でした。
わたしは、その企業の社員ではありませんが、仕事の関係上普段から大変お世話になっております。
その時の気持ちは正直複雑で、書き込みの内容が事実で、苦しんでいる社員の方が多いのであれば、わたしも心情的に辛いですし、悪いとみなされる事柄が明らかになって会社がもっと良くなって欲しい思いと、書き込みの内容が事実ではないのであれば、明らかな名誉毀損の書き込みですし、社長の悪口を言うような書き込みは見ていて嫌だと思いました。
そこで差し出がましいとは思いつつも、書き込みをしたユーザーに対し、以下のような返信をしました。
□□という行為は犯罪にあたるのではないか?
それが事実であれば、会社にとっても大変なことになるだろうが、真実ではない内容を書き込んでいるのであれば名誉毀損にあるのではないか?
書き込みをした方から返信があり、自分はその行為に対する証拠を持っている、とのことでした。
わたしは法律のエキスパートでもなく、真実かどうかもわからない内容に、これ以上書き込むことではないと思い、その返信に対しては以後返信をすることもありませんでした。
その書き込みの約2ヶ月後になって、掲示板を運用する会社からメールが届きました。
要約すると、名誉毀損にあたる内容の為、権利を主張する方から、情報の開示請求と書き込みの削除の依頼があったこと。よって意見を照会するという内容でした。
【開示・削除請求者】
個人
【開示を受けるべき正当な理由】
1. 損害賠償請求のために必要であるため
2. 謝罪広告等の名誉回復措置の要請のために必要であるため
3. 差止請求権の行使のために必要であるため
4. 発信者に対する削除要求のために必要であるため
【開示を要求されているお客様の発信者情報】
特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条第1項の発信者情報を定める省令第1号乃至第7号に規定する事項中の下記事項
4. お客様が情報を流通させた際の、お客様のIPアドレス及び当該IPアドレス
5. 掲載情報に係るお客様の携帯電話端末等からのインターネット接続サービス利用者識別符号
6. 掲載情報に係るお客様のSIMカード識別番号のうち、携帯電話端末等からのインターネット接続サービスにより送信されたもの
7. 4ないし6から掲載情報が送信された年月日及び時刻
わたし個人の意思としましては、□□という行為は犯罪ではないか、とは述べたものの、個人(この場合社長)が犯罪をしていると述べたわけではなく、酷い内容の書き込みしたユーザーに対しても、それは名誉毀損だ!と決めつけたわけではありません。
ただ、このときの書き込みで、傷付いてしまった方がいらっしゃること、おそらく会社にも迷惑をかけてしまったのだろうということに関しては猛省しております。
そこで、開示請求に対しては不同意、削除に関しては同意して返信をしようと考えております。
開示請求不同意の理由に関しては、上記わたし個人の意見としましては〜の内容をもう少し詳しく記述して送信しようと考えておりますが、やはり弁護士の方に一度文章を見て頂いた方がよろしいでしょうか?
また、懸念しているのは、お恥ずかしいことに操作ミスなのですが、誤って引用返信にしてしまったことです。
そして、正直面倒という気持ちが勝り、そのままにしてしまいました。
わたしはどちらかというとその引用した書き込みに対して反対の立場ですが、それでも引用をしてしまっているので、その点からも名誉毀損だと思われている可能性があるのでは、と思っています。
重要な書き込みに対し、そのままにしてしまったことも大変反省しております。
わたしの書き込みがどう考えても開示請求を拒否できない可能性が高いのであれば、今後請求されるであろう損害賠償の為にお金を使いたいと考えています。
文章が長くなり申し訳ありません。
お聞きしたい点は以下の2点です。
・開示請求に不同意の理由を書く場合、弁護士の方にチェックしていただいた方が良いのか
・今回の場合、開示請求に不同意と送信しても、裁判に負け、開示請求をされる可能性のほうが高いのか
よろしくお願い致します。
あなたの方針でいいですね。
チェックの必要はないでしょう。
名誉棄損ではないので、裁判に負けることはないでしょう。
内藤 政信弁護士、お忙しい中ご回答ありがとうございます。
掲示板を運用する会社からメールが届いた直後は、個人を貶める考えも助長する意図もなかったのに、何故?かといって、客観的に見た時に、わたしの書き込みは名誉毀損ではない、と言い切ることはできないのか?と混乱しておりました。
わたしの背中を押して頂き感謝しております。
法律に関しては素人ですし、まだ期日も十分にあるので、開示請求不同意の意思を示す文章に関しては、よく推敲してから送信しようと思います。
今後は行き過ぎた正義感を振りかざし、インターネットを利用する多くの方を傷つけないよう、書き込みには今まで以上に気をつけたいと思います。