定期借家の契約期限と解約予告期限はどちらが優先
不動産賃貸契約について教えてください。
定期借家で、平成30年2月28日が契約期限です。解約予告は3ヶ月前もしくは3ヶ月分の賃料を支払い3ヶ月以内の随時となっております。
定期借家の終了通知は定められた期限内に受け取っています。
借主は平成29年12月17日に解約予告をし、平成30年1月24日に立会点検後、鍵返却の予定でした。
明け渡し当日、3月16日までの賃料相当額を請求されました。
とりあえず、賃料を払うならまだ物件を使用する権利があると思い1月24日は鍵を返しませんでした。
1、契約期限と解約予告期限はどちらが優先されるのでしょうか?
2、いつまでの賃料を支払うべきですか?
3、契約書の明け渡しの項目に、契約が解除または消滅した日の翌日から明け渡し完了までの間の賃料の倍額の損害金を支払うこと。とありますがこの場合、1月24日が解除日となりますか?
よろしくお願いします。
僕の考えは、本件の場合、契約期限が優先
ですね。
契約期限までの賃料ですね。
契約期限以降が損害金ですね。
定期借家契約では、そもそも契約更新が予定されていませんので、貸主が所定の期間内に所定の通知を送れば、当然に、契約期限をもって定期借家契約は終了します。
他方、定期借家契約の期間途中の解約は、法律上、やむをえない場合にのみ認められています。その解約が認められる場合、申し入れから1か月で終了の効力が発生するとされており、この効力規定を借主に不利に変更する約定は無効であると、法律に定められています。
定期借家契約にはこれらの性質がありますので、記載いただいた事情のみを元に判断すると、契約期限2月28日を超えて3月16日までの賃料請求ができる理由はないと思います。
請求できる賃料額については、解約によって有効に契約が終了しているかどうかによって変わってくると思います。
「借主は平成29年12月17日に解約予告をし、平成30年1月24日に立会点検後、鍵返却の予定でした」とのことですが,
契約満期が平成30年2月28日,中途解約申入れは3か月前とのことですから,
A 「平成30年1月24日に契約を終了すること」について双方に合意があったのであれば1月24日
B Aの合意がなかったのであれば2月28日
に契約は終了します。
氏家先生のご回答のとおり,3月16日までの賃料を支払う必要はありません。
ご対応としては,
Aの合意があったと主張し,1月25日以降鍵の返却までの期間の倍額の賃料を支払う
または
Aの合意がなくBであると主張し,2月28日に鍵を返却し,それまでの期間の通常の賃料を支払う
のいずれかになると思います。
ただし,敷金を預け入れている場合には,現実的には貸主が不当に敷引する(返還する敷金を減額する)可能性があります。
不当な敷引であれば訴訟等によれば返還請求が可能ですが,訴訟のコストに鑑みると,泣き寝入りにならざるを得ないこともあります。
貸主ときちんと話をつけることが重要です。