法律上の親子関係を否定する手続きと時効の影響は?

【相談内容】
元妻との婚姻中に出生し、戸籍上は私の長男となっている子について、法律上の親子関係を否定する手続きが可能か相談したいです。

■婚姻・離婚と戸籍の経緯
・2004年3月30日、中国籍の女性Aと婚姻しました。
・2008年10月22日、Aが中国福建省で男児Bを出産しました。私を父とする出生届が提出され、Bは私の戸籍に長男として記載されました。
・2018年4月19日、Aと離婚しました。Bの親権者は母であるAです。
・2019年1月21日、親権者であるAを届出人として、戸籍法107条4項の届出によりBの氏がAの氏に変更され、Bは私の戸籍から除籍されています。

■Bとの血縁関係について
Aとは住民票上は同居していましたが、実際には私は別宅に住んでおり、夫婦としての同居実態はありませんでした。また、Aと性的関係を持ったことは一度もなく、Bが私の実子ではないことは断言できます。

Bの実父が誰なのか、Aがどこで懐胎したのかは分かりません。出産と、私を父とする出生届が提出されたことは、出生届の提出直後に知らされました。

当時、私は前婚の実の娘を引き取って育てていました。娘が重いうつ病で自傷行為や入退院を繰り返しており、その対応に追われ、AとBに関する問題には適切な対応を取らないまま年月が経過してしまいました。

Bは、少なくとも2018年の離婚時までは来日しておらず、私がBと同居したり、養育したりしたこともありません。

■現在の状況
2018年の離婚以降、Aとは連絡を取っていません。Aは現在も日本に居住していると思われますが、現住所は分かりません。携帯電話番号は分かりますが、現在も使用しているかは確認していません。Bの現在の居住地も分かりません。

私は2022年に再婚しており、実の娘も結婚しています。現在の財産は少額の預貯金程度ですが、将来の相続も含め、Bとの法律上の親子関係を整理しておきたいと考えています。

■相談したいこと
上記の事情から、親子関係不存在確認などにより、私とBとの法律上の親子関係を否定し、戸籍を訂正することは可能でしょうか。嫡出否認など別の手続きが必要となる場合も含め、利用できる手続きを教えてください。出生届の提出直後に事情を知りながら、長年手続きを取っていないことが、期限などの面でどのように影響するかも伺いたいです。

長年対応してこなかった点は反省していますが、今から取れる方法を知りたいと考えています。よろしくお願いいたします。

本件では、親子関係を否定できる可能性はありますが、容易ではないと考えられます。

まず、元妻が中国籍であるため、法の適用に関する通則法28条により、日本法だけでなく中国法についても検討する必要があります。ただし、中国法上の否認制度が利用できても、日本法上の嫡出推定が当然に覆るわけではありません。

日本法では、2008年出生のBさんについて、嫡出否認の出訴期間は出生を知った時から1年間であり、既に経過しています。2024年施行の改正法によっても、この期間は復活しません。

もっとも、懐胎当時に夫婦が事実上の離婚状態にあったり、遠隔地に居住していたりして、性的関係を持つ機会がなかったことが客観的に明らかな場合には、嫡出推定が及ばず、親子関係不存在確認を求められる可能性があります。この手続には出訴期間の制限はありません。

本件では、実際には別居し、性交渉もなかったとの事情が重要ですが、住民票上は同居していたため、客観的な立証が必要です。特に、2008年初め頃の双方の居住地や出入国記録が重要になります。

なお、Bさんが戸籍から除籍されても、法律上の親子関係は消滅しません。

今後は、当時の生活実態、中国法の適用関係、Bさんの現在の住所等を確認した上で、家庭裁判所での親子関係不存在確認手続を検討することになります。