スポーツの動画添削を仲介するWebサービスで、特商法の表記をするのは運営者かコーチか
個人事業主として、陸上競技の選手とコーチをつなぐWebサービスを準備しています。法人ではなく、従業員もいません。
有料の仕組みは2つあります。
(1) 動画添削:選手が動画を送って代金を払うと、運営者が担当できるコーチに依頼を割り振り、コーチがアドバイスを返します。料金は運営者が決めた一律の額です。
(2) サポートプラン:コーチが自分で内容・料金・期間を決めてプランを出品し、選手が申し込みます。
どちらも代金は運営者がStripeで受け取り、手数料を引いてコーチに支払います。
質問です。
1. (1)と(2)で、選手との契約の相手方は運営者とコーチのどちらと考えるのが一般的でしょうか。(1)と(2)で違いますか。
2. それによって、特定商取引法の表記をすべき人(運営者だけか、コーチ個人もか)は変わりますか。
3. 個人事業主の場合、表記で住所・電話番号を出さずに済ませる方法はありますか。
4. 取引デジタルプラットフォーム消費者保護法の対象になりますか。
見落としている法律や、規約に最低限入れておくべき条項があれば教えてください。
ご相談について回答いたします。なお、利用規約の内容、コーチとの契約関係、サイト上の表示の仕方など、詳細が分からない点を前提としての回答となります。
また、契約の当事者が誰かについては、最終的には規約の定め方や実際の取引の実態によって判断されるものと考えられます。
なお、見落としている法律等については、個別の事情を踏まえて弁護士にご相談いただくのがよいと存じます。
1. 選手との契約の相手方
(1) 動画添削について
運営者が料金を決め、代金を受け取り、担当コーチを割り振っていることからすると、選手との契約の相手方は運営者と考えるのが一般的と思料します。
(2) サポートプランについて
コーチが内容・料金・期間を決めて出品していることからすると、選手との契約の相手方はコーチと考えるのが一般的と思料します。
2. 特定商取引法の表記をすべき人
上記の整理に応じて、表記をすべき人も変わるものと考えられます。
(1)について
役務を提供する事業者は運営者となるため、運営者が表記をすべきと考えられます。
(2)について
役務を提供する事業者はコーチとなるため、コーチ個人が表記をすべきものと考えられます。ただし、コーチが継続的に事業としてプランを提供しているとはいえない場合には、対象外となる可能性があると思料します。
3. 住所・電話番号を出さずに済ませる方法
①請求時に開示する旨を表示して省略する方法
消費者から請求があった場合に遅滞なく開示する旨を明記することで、住所・電話番号等の表示を省略できるものと考えられます。ただし、実際に請求があった際に速やかに開示できる体制を整えておくことが前提になるものと思料します。
②バーチャルオフィスの住所・電話番号を表示する方法
この方法も認められるものと考えられます。ただし、事業者本人と確実に連絡が取れる状態であることが前提になるものと思料します。
4. 取引デジタルプラットフォーム消費者保護法の対象になるか
(2)については対象となる可能性が高く、(1)については対象外になる可能性があると考えられます。
同法は、事業者(コーチ)と消費者(選手)が取引する場を提供するプラットフォームを対象としているため、(2)はこれにあたり得るものと思料します。