両親(父70代、母60代)の賃貸住宅(築48年)の老朽化による立退きについて相談です。
両親の賃貸住宅の立退きについて相談です。
父は70代、母は60代で、約23年間居住しています。約73㎡、駐車場込みで月額7万円強です。今後も住み続ける予定でした。息子の私が無報酬で連絡・条件協議を担当し、最終判断は両親が行う予定です。契約形態・期間・更新状況の詳細は確認中です。
貸主の代理人弁護士から、築48年・旧耐震基準・複数戸の配管漏水・修繕費の負担を理由に、取り壊しのための解約申入れが届きました。借地借家法27条による6か月前予告として、2027年4月30日までの明渡しを求められています。耐震診断書や修繕見積もりは提示されていません。
提示条件は次のとおりです。
- 新居の敷金・礼金・仲介手数料・保証料・火災保険料・鍵交換費用を負担(日割り家賃・前家賃を除く)
- 指定業者による引っ越し費用を負担
- 原状回復義務の免除、現在の敷金の全額返還
- 期限内の明渡しに書面で合意すれば、合意翌月から退去日までの賃料・共益費を免除(最長2027年4月30日まで)
別途の現金補償や、転居後の家賃差額の補償は記載されていません。まだ同意しておらず、転居先・入居審査・実際の費用も未確定です。
**お聞きしたいのは以下の3点です。**
1. **提示条件の評価**
同様の事案と比べて、今回の条件はどの程度の水準でしょうか。両親の年齢・長期居住・転居後の負担を踏まえ、追加補償や期限調整を求める余地はありますか。判断に必要な追加資料も教えてください。
2. **交渉の根拠と、貸主が応じる可能性**
今回の事情から、貸主の解約申入れが認められる見通しをどう考えればよいでしょうか。6か月前予告を踏まえ、こちらの主張の強い点・弱い点と、貸主が条件改善に応じる合理的な理由を知りたいです。
3. **同意前に確認すべきことと、当面の対応**
新居が確保できるか分からない段階で退去期限に同意することに不安があります。先方への最初の返答、確認すべき合意書の条項、弁護士への依頼を検討すべきタイミングについて助言をお願いします。
ご相談の件について、まず、現在の賃貸借契約が普通借家契約であることを前提とすると、貸主から6か月前に解約申入れがあったとしても、それだけで賃貸借契約が終了するわけではありません。借地借家法28条に定める「正当事由」が必要となります。
今回、貸主は築48年という建物の老朽化や漏水、修繕費の負担などを理由としていますが、築年数が古いことや旧耐震基準の建物であることだけで、直ちに正当事由が認められるわけではありません。他方、建物の劣化が著しく、修繕による対応が困難な場合には、貸主に有利な事情となります。そのため、耐震診断書や修繕見積書などの資料を確認することが重要です。
提示されている立退条件については、転居費用の負担や賃料免除など一定の配慮が見られますが、必ずしも十分な条件とはいえません。立退料に一律の相場はありませんが、ご両親が約23年間居住されていること、ご高齢であること、現在の賃料が比較的低額であり、転居後に家賃負担が増加する可能性があることなどを踏まえると、家賃差額の補償や別途の立退料、明渡期限の延長を求める余地は十分にあると考えます。
また、貸主としても、明渡請求訴訟になれば相応の時間と費用を要し、建物の取壊しが遅れる可能性があるため、条件改善に応じる合理的な理由があります。
現時点では、転居先が確保できていない以上、明渡期限に同意することは避けるべきです。まずは、提示条件では転居後の生活に不安があるため、補償内容や期限について引き続き協議したい旨を回答するとよいでしょう。
なお、息子様がご両親の連絡窓口となること自体は可能ですが、報酬の有無にかかわらず、法律事務の代理交渉には注意が必要です。相手方には既に弁護士が就いているため、具体的な条件交渉や合意書の作成段階では、弁護士に相談されることをお勧めします。