一方的に離婚を求められ別居中、条件提示について
夫から突然、性格の不一致を理由に離婚を求められ、一方的に別居となり、半年が経過しました。十分な話し合いはできず、現在は相手方に弁護士がついています。
別居後、私に対する具体的な不満や落ち度について説明されることはなく、自分の反省や改善したい気持ちを伝える機会もないまま現在に至っています。
私は今も夫婦関係の修復を望んでいますが、半年が経過したこともあり、離婚を諦めざるを得ないのかと考え始めています。
今後の対応について、以下の点をご相談したいです。
① 相手方から条件提示がない段階で、こちらから離婚条件を提示すべきか。
② 婚姻期間中に形成した預貯金(約100万円)の全額取得や、引越し費用・退去費用等を請求することは可能か。結婚を機に夫の地元へ移り住んだため、離婚となれば転居が必要となり、夫との年収差も2倍以上あることから、私の経済的負担が大きい状況です。また、こちらの希望条件に応じてもらえない場合は、法的に離婚が認められるまで婚姻費用を受け取り続けたいと考えています。
③ 交渉内容は比較的大きな金額ではないため、弁護士に依頼せず本人のみで交渉できる余地があれば、自分で進めたいと考えています。相手方に弁護士がいる場合でも可能でしょうか。
法的な見通しや、今後どのように対応することが適切なのか、アドバイスをいただきたいです。
私見を回答させていただきます。
まず、性格の不一致を理由とする別居が半年程度ということであれば、ご主人が離婚を希望しているからといって、直ちに裁判上の離婚が認められる状況ではないと思います。そのため、相談者様が離婚を望んでいないのであれば、現時点で無理に離婚に応じる必要はありません。
①について
相談者様が夫婦関係の修復を希望しているのであれば、現時点で積極的に離婚条件を提示する必要はないと思います。
また、こちらから離婚条件を提示することで、後々、相談者様にも離婚する意思があったと主張される可能性があります。
そのため、仮に離婚条件を提示する場合であっても、「離婚する意思はないものの、早期解決のために条件を提示するとすれば」といった留保を付け、離婚に応じる意思があると誤解されないようにした方がよいと思います。
②について
財産分与は、原則として婚姻期間中に形成した夫婦の共有財産を2分の1ずつ分けるものです。
そのため、預貯金の全額取得や引越し費用等について、仮に裁判になった時には当然に請求が認められるわけではありません。
もっとも、現時点で離婚に応じる条件として提示するのであれば、十分にあり得る内容だと思います。
婚姻費用については、原則として請求した時点から認められるため、現在支払いを受けていないのであれば、離婚条件の交渉とは別に、現時点で婚姻費用分担調停を申し立てておくことも考えられます。一般的に、婚姻費用の支払いを受けながら、離婚に応じるかどうかや離婚条件について検討することで交渉を有利に進められる場合が多いと思います。
③について
相手方に弁護士がついていても、ご自身で交渉することは可能です。
ただし、相手方の弁護士はご主人の利益を守る立場ですので、その主張が法的に認められる見込みがあるかどうかにかかわらず、ご主人に有利な主張を展開してくることも考えられます。そのため、相手方の主張をよく検討しながら、慎重に交渉を進める必要があります。
そのため、ご自身で対応することによる時間的・心理的負担が大きいようであれば、弁護士への依頼を検討してもよいかもしれません。少なくとも、一度は弁護士に直接相談し、今後の見通しや交渉の進め方について助言を受けるとともに、依頼した場合の費用感も確認した上で、ご自身で対応するかどうかを判断されるとよいと思います。
山田先生ありがとうございます。
婚姻費用は、夫の弁護士より算定表通りの提示され受け取っております。
性格の不一致では、別居期間が長引かないと離婚は認められにくいと認識しております。
私が離婚に応じない限り、しばらくは離婚は成立しないと思いますが
"ご主人に有利な主張を展開してくることも考えられます。"の有利な主張とはどのようなものが考えられるのでしょうか。
また、夫は家を出て行き、生活費の支払いの名義等もすべて私に変更しております。
現在、夫婦で住んでいた賃貸(現在は私が居住)の名義は夫のままですが、今後そちらも私の名義に変えてほしいと言われることを予想しております。
夫婦で数年ほど一緒に住んだ家の退去費用などは私が出ていく際に、私が負担しなくてはならないのでしょうか。
ご質問の「有利な主張」とは、例えば、婚姻関係が既に破綻しているとして離婚を求めたり、財産分与や引越し費用等について、ご主人の負担をできるだけ少なくするような主張をしたりするようなことです。もちろん弁護士がそのような主張をしたからといって、当然に法的に認められるわけではありません。相手方の主張が法的に認められるものなのかを、ご自身でも検討する必要があるという趣旨です。
また、賃貸物件の退去費用については、原則として賃貸借契約上の名義人が貸主に対して負担することになります。現在の契約名義がご主人なのであれば、ご主人が負担することになりますが、今後、相談者様の名義に変更すれば、相談者様が負担することになります。もっとも、これはあくまで貸主との関係であり、夫婦間で最終的にどちらが負担するかは別の問題です。実際に相談者様が居住を続けているのであれば、ご主人から退去費用の負担を求められることも考えられます。
最終的に離婚を受け入れる場面になった場合に、退去費用や原状回復費用の負担についても、離婚条件の一つとして交渉してみてはいかがでしょうか。