高齢の母の身上監護と資産管理について
高齢の母の介護および相続に関して、相談させてください。
私の家族は高齢の母と私、妹の3人でそれぞれ別々で暮らしています。
母は高齢ではあるものの、健康でお金の管理もしっかりできています。
身体を動かすのが難しくなったり、認知症が疑われるようになった場合は施設への入所を考えているようです。
妹は母や私と不仲で連絡先は教えてもらっているものの、住所は教えてもらっていません。
また連絡先へ電話をしても、なかなか応答しない状況です。
そんな中、妹は母が高齢ということもあって家族信託で母の資産の取り決めを進めようとしています。
母は妹を信用していないため、母の資産は長女の私に託すと言っています。
私は母の財産だけでなく、介護など身上監護を含めて揉めるようなことの無いように家族で取り決めたいと
考えています。
弁護士さんなど第三者に入って頂き、(任意後見契約などの)「生前契約」を作成し、公正証書として残すのが
よいでしょうか。
また認知症でなく身体の衰えに備えて「財産管理・身上監護等委任契約」も作成しておいた方がよいでしょうか。
この他にも良い方法がありましたらご教授お願い致します。
お母様が現在お元気で判断能力が十分なうちに、将来の財産管理や相続について準備しておくことは有益です。特に、ご家族間で意見の相違がある場合には、お母様ご本人の意思を明確な形で残しておくことが重要です。
まず、将来お母様の判断能力が低下した場合に備え、任意後見契約を公正証書で作成する方法があります。ただし、任意後見は、判断能力が低下した後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて開始します。
そこで、判断能力はあるものの、病気や身体の衰えにより財産管理等が難しくなった場合に備えて、財産管理等委任契約を併せて締結することも考えられます。これにより、契約で定めた範囲で、預貯金の管理や各種支払、介護施設への入所契約等を代理してもらうことができます。
また、相続については公正証書遺言を作成し、財産の承継先や遺言執行者を定めておくことをお勧めします。ただし、妹様にも原則として遺留分がありますので、その点を考慮した内容にする必要があります。
さらに、葬儀・納骨や死亡後の各種支払等については、死後事務委任契約を併せて検討できます。
妹様が提案している家族信託についても、お母様の意思に反して一方的に成立させることはできません。
本件では、財産管理等委任契約・任意後見契約・公正証書遺言を基本とし、必要に応じて死後事務委任契約を組み合わせる方法が考えられます。将来の紛争を防ぐためにも、お母様ご本人と弁護士が直接面談して意思を確認したうえで、具体的な内容を決めることをお勧めいたします。