国籍変更による相続への影響

現在、日本国籍を持ち、カナダに居住しております。
配偶者は韓国籍で、子どもはいません。

将来、カナダ国籍を取得することを検討していますが、日本国籍を失うことによる影響について、事前に相談したいです。

また、現時点では日本への完全帰国の予定はありませんが、将来的に日本へ戻る可能性も考えており、その場合の日本国籍の再取得(再帰化)についても知りたいと思っています。

現在、夫婦ともにカナダに居住しておりますが、夫婦ともに財産の大部分は韓国にあります。
現在のところ主に預金と株です。
カナダには生活費と車がある程度で、大きな財産はありません。日本にも特にありません。

以下の点を中心に相談したいと考えております。

1.国籍について
カナダ国籍取得に伴う日本国家資格や日本の運転免許証の有効性
将来の日本国籍再取得(再帰化)の条件と注意点

2.相続について
韓国籍の配偶者と子どものいない夫婦の相続関係(夫婦間と両国の家族間)
夫婦のどちらかが先に亡くなった場合、韓国にある財産をどのように相続できるか(夫婦間と両国の家族間)
私がカナダ国籍を取得する前後で、相続に適用される法律や手続きが変わるか(夫婦間と両国の家族間)
配偶者に財産を残すための遺言書の必要性
韓国とカナダの相続に関する税務上の注意点
日本の家族からの相続への影響

よろしくお願いいたします。

まず、日本国籍の方が自らの意思でカナダ国籍を取得した場合、国籍法11条1項により、日本国籍を喪失します。ただし、日本の国家資格や運転免許証が当然に失効するわけではなく、資格ごとの要件や海外居住者の免許更新手続を確認する必要があります。

将来、日本国籍を再取得する場合は、原則として帰化申請が必要です。元日本国民については一部の要件が緩和されますが、日本国内に住所を有することが必要であり、必ず許可されるわけではありません。

次に、相続については、原則として亡くなった方の国籍が重要となります。現在のご相談者様には日本法、韓国籍の配偶者様には韓国法が適用されることが基本となります。
子どもがいない場合、日本法では配偶者のほか、ご両親又は兄弟姉妹が相続人となる可能性があります。
カナダ国籍取得後は、カナダの居住州の法律や韓国の国際私法との関係を検討する必要があります。また、韓国にある預貯金や株式については、現地の金融機関で相続手続を行う必要があります。

配偶者に財産を確実に残すためには、ご夫婦それぞれが遺言書を作成することをお勧めします。ただし、各国の遺留分制度にも注意が必要です。
税務面では、場合によっては日本の相続税が問題となります。なお、カナダ国籍取得後も、日本のご家族からの相続権は失われません。

本件は3か国の法律が関係するため、カナダの居住州、ご両親等の存命状況、韓国の財産額・名義等を確認したうえで、必要に応じて韓国・カナダの専門家とも連携して検討することが適切と考えます。

このたびは、お忙しい中、ご丁寧かつ詳しいご回答をいただき、誠にありがとうございました。
日本国籍の喪失や再取得、国際相続について、分かりやすくご説明いただき、大変参考になりました。
今後のことを慎重に検討するうえで、貴重なご助言をいただけたことに感謝しております。
誠にありがとうございました。