テナントのスプリンクラー工事について相談です。
飲食店(ダイニングバー)として賃貸借契約を締結し、内装工事を進めていますが、消防署から3階店舗へのスプリンクラー設置が必要との指導を受けました。
3階までは既存のスプリンクラー配管が来ていますが、管理会社手配の業者から、約177㎡(約54坪)の店内工事だけで約1,000万円かかると言われています。
契約書第22条には、消防署から是正指導を受けた場合、「契約引渡し状態における適法な消防防災設備対応までは甲(貸主)が負担し、乙(借主)の内装造作等に伴う移設・新設は乙が負担する」とあります。
今回、単なる内装レイアウト変更が原因ではなく、飲食店として契約した物件についてスプリンクラー設置を求められている状況です。
この第22条の場合、今回のスプリンクラー工事費は貸主・借主のどちらが負担するものと考えられるのか、また全額借主負担と言われた場合に争える余地があるのかを相談したいです。
契約書や消防関係の資料はすべてお見せできます。
ご記載の契約条項を見る限り、今回の約1,000万円のスプリンクラー工事費を当然に全額借主が負担するとは限らず、貸主負担を求めて争う余地は十分にあると思われます。
重要なのは、消防署からスプリンクラー設置を求められた「原因」です。
契約書第22条では、「契約引渡し状態における適法な消防防災設備対応」は貸主負担とし、他方で、「借主の内装造作等に伴う移設・新設」は借主負担と区別されています。
したがって、契約締結時から「飲食店(ダイニングバー)」として使用することが貸主との間で合意されており、その用途で営業する以上、内装の内容にかかわらずスプリンクラーの設置が必要であったのであれば、「引渡し状態における適法な消防防災設備対応」として貸主負担であるとの主張には相応の根拠があります。
一方、間仕切り、天井、厨房その他今回の内装計画によって、新たにヘッドの増設・移設等が必要になった部分については、借主負担と判断される可能性があります。消防実務上も、テナントの間仕切り等に伴って既設消防設備の増設・移設が必要になる場合があります。
そのため、まず消防署に「なぜ今回スプリンクラーが必要なのか」「内装工事をしなくても飲食店として使用するだけで必要なのか」を確認し、その内容を書面やメール等で残すことが重要です。
また、約1,000万円という見積額についても、金額だけで高すぎるとは断定できませんので、工事内容を「建物側の基本設備工事」と「借主の内装に伴う増設・移設工事」に分けた明細を出してもらうべきです。
資料を整理した上で貸主側と協議されることをお勧めします。