彼女との別れ後の金銭要求、支払い義務はあるのか?
2年お付き合いしていた彼女と別れることになりました。
彼女は大阪にいて、私は東京で就職している社会人です。
お付き合いしていた頃に、将来同棲をしようと話していました。
彼女が東京で就職することが決まっています。
そんな中、揉め事があり、私の方からお別れを告げることになりました。
別れに至った原因は、彼女の感情の起伏の激しさや束縛(SNSなどを盗み見するなど)です。
その後、金銭の要求ありました。
同棲ができないことに対する、彼女の引っ越し費用、新居の契約、家電など総額120万円程度の請求がありました。
支払いに応じなければならないのか含め、この先どう動けば良いのか教えていただきたいです。
私見を回答させていただきます。
まず、交際を解消したというだけで、相手方の引っ越し費用、新居の契約費用、家電代などを当然に負担する義務が生じるわけではありません。
もっとも、お二人の間に婚約が成立しており、それを正当な理由なく一方的に破棄したと評価される場合や、引っ越し費用や新居の契約費用、家電代などを相談者様が負担する旨の合意をしていた場合には、支払義務が生じる可能性があります。
婚約が成立していたかどうかは、結婚についてどのような話をしていたのか、家族への紹介や結婚に向けた準備の状況などから総合的に判断されます。「将来同棲しよう」と話していたことだけで、直ちに婚約が成立するわけではありません。また、婚約が成立していたとしても、相手方が請求している120万円全額が必ず損害として認められるわけでもありません。
一方で、示談交渉の段階では、最終的に裁判をした場合に法的な支払義務が認められるかどうかだけで判断するものでもありません。今後紛争が長期化することによる精神的負担やリスクなども考慮して、一定の譲歩をして解決することもあります。
請求の内訳や根拠を確認した上で、これまでのLINE等のやり取りや費用負担についての話し合いの内容などを整理し、どのような条件で解決するのがよいかも含めて、一度弁護士に直接相談されることをおすすめします。また、ご相談内容では、相手方の感情の起伏の激しさや束縛などを理由に別れることを決めたとのことですので、今後相手方と直接やり取りを続けること自体の心理的負担が大きいようであれば、弁護士を窓口として、相手方とのやり取りを任せることも一つの方法だと思います。
【回答】結論として、ご相談の事情だけであれば、相手方から請求されている約120万円を支払う必要は基本的にはないと考えます。
男女関係で法的保護が問題となる典型的なものは、婚姻、内縁、婚約です。これに対し、単なる恋愛・交際関係については、どちらかが交際を終了したからといって、それだけで損害賠償責任が発生するものではありません。
本件では、2年間交際し、「将来同棲しよう」と話していたとのことですが、同棲の約束と結婚の約束は別です。婚約とは、将来夫婦になるという真摯な合意をいいます。裁判例では、結婚の具体的な約束、両親への挨拶、婚約者としての紹介、結婚準備などの事情を総合して判断されています。単に将来同棲しようと話していた程度であれば、通常、婚約が成立したとは考えにくいでしょう。
そうすると、交際を解消した以上、予定していた同棲ができなくなることはやむを得ないことであり、それだけであなたに債務不履行や不法行為が成立するわけではありません。
したがって、彼女の引越費用、新居の契約費用、家電購入費等についても、交際解消との関係だけで当然にあなたが負担するものではありません。婚約の不当破棄が認められる場合には新居の解約費用等が損害となることがありますが、本件とは前提が異なります。
今後については、納得できない請求であれば支払いを拒絶すればよいと思います。相手方が納得せず訴訟等を起こした場合には、その段階で粛々と対応することになります。
なお、金銭請求そのものよりも、請求を通じてあなたとの関係を継続させたり、あなたの行動をコントロールしようとしている可能性もあります。そのため、感情的なやり取りを続けず、今後の連絡は必要最小限にしておくことをお勧めします。