債権回収の法的手続きと役員個人責任の追及方法
ご覧いただきありがとうございます。
清算中の株式会社および実質破綻している株式会社に対する債権回収について、今後の法的手続きの方針をご相談させてください。
■ トラブル・出資の経緯と内容
出資スキーム:非公開株式の割り当て・出資名目で資金を集め、「海外運用による原資」から定期的な配当・返還を行うという契約・スキームでした。
相手方の返還拒否の主張:現在、相手方は勝手な運用の不調や資金凍結等を理由に挙げ、「送金・現金化ができない」などとして配当や返還を拒否・延期し続けています。
不正行為(偏頗弁済):全額返還不能・実質債務超過であると主張する一方で、口座に記録が残らない手段(現金書留等)を用いて特定の債権者のみへ優先弁済(偏頗弁済)を行っていた事実が判明しています。
■ 現在の状況
相手方代理人弁護士からは「話し合いでの解決は困難・交渉終了」との書面が届いており、任意交渉は限界に達しています。(※警察への被害相談、紛議調停手続きは完了済みです)
■ 最終目的
会社の破産・清算による債務踏み倒しを阻止し、役員個人(代表取締役・清算人)の資産から回収を図ること、および相手方が自己破産した場合でも「非免責債権」として一生追及できる状態にすることです。
■ ご質問したい事項
実態の不透明な海外運用や偏頗弁済の事実を根拠に、(役員個人の責任)に基づく損害賠償請求訴訟で「悪意・重大な過失」および「非免責債権」として判決を得るためのポイント
役員個人の資産(不動産・口座)に対する仮差し押さえの実効性とハードル
警察への相談実績を踏まえた「刑事告訴(詐欺罪・出資法違反・特別背任罪等)」を並行して進め、示談(個人返済)へ引きずり出すための効果的な手順
専門的な見地から、どのような戦略で進めるべきかご助言いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
本件では、任意交渉が終了している以上、今後は民事・刑事の両面から進めることが重要です。
民事では、会社に対する返還請求に加え、代表取締役・清算人個人について、会社法429条や民法709条に基づく責任追及が可能かを検討します。海外運用の実態、勧誘時の説明、資金使途、返還不能となった経緯、特定債権者への偏った弁済等を整理し、単なる運用失敗ではなく、役員個人の悪意・重過失や詐欺的行為を立証できるかが重要です。個人資産が判明していれば、訴訟前後の仮差押えも検討します。
刑事面では、当初から運用実態や返還意思がなかった疑いがあれば詐欺罪、資金募集の方法によっては出資法違反等も検討対象となります。警察への相談歴があるのであれば、証拠を整理したうえで刑事告訴を検討する価値があります。
また、刑事事件として捜査が進んだ場合、相手方が不起訴や量刑上の有利な事情を得るため、被害弁償や示談を希望してくる可能性があります。そのため、刑事手続は単なる回収手段ではありませんが、結果として役員個人の資産や親族の援助等を原資とした示談返済につながることはあります。
将来の役員らの自己破産も見据え、非免責債権となり得る事実関係を意識しつつ、民事訴訟・資産保全・刑事告訴を並行して検討するのが適切です。