定期建物賃貸借契約・退去要請についてのご相談
現在入居している物件について、貸主側から退去を求められており、契約関係と今後の対応についてご相談したくお願いいたします。
2022年から現在の物件に入居していますが貸主側から2ヶ月以内目処の退去を求められました。
手元にある当初の契約書は1年間の「定期建物賃貸借契約」となっています。
契約書には、契約期間満了により契約は終了し更新がないこと、ただし双方協議の上で新たな賃貸借契約を締結できること、また、貸主が期間満了による終了を主張する場合の通知についての規定があります。
しかし契約満了の1年後以降、新たな契約書や再契約書を締結しておらず、その後も約4年間同じ物件に継続して居住し家賃を支払ってきました。
今月になり貸主側から管理会社が変更になるため、賃貸物件として運営継続できず2ヶ月以内10月末を目途に退去してほしいとの通知を受けました。(書面でなくテキストメッセージ)
その通知には以前から現在の利用について建物管理会社よりその建物内の規約に違反していると指摘を受けていたこと、貸主側からは建物管理側に別の形態として運用している旨を説明してこれまで継続していたこと等が記載されています。
現在の契約形態について確認したところ貸主側からは「当初の契約は定期建物賃貸借契約として締結している」一方で、「現在の契約上の取扱いについては、これまでの経緯を含めて確認する必要があるため、現時点では確定的な回答をすることができない」との回答を受けました。
その後、私から通常半年〜1年の退去準備期間が必要ではないかと確認したところ、新しい管理会社に調整可能か確認する、と返事がありました。
以下についてご意見を伺いたいです。
①再契約書を締結していないまま約4年間居住を継続している場合、現在の契約関係はどのように整理されるのでしょうか。
仮に現在も当初の定期建物賃貸借契約が継続しているという扱いになる場合、今回の退去通知の時期・方法は借地借家法38条との関係で問題ないのでしょうか。
②例えば半年先まで居住できるという内容で合意した場合、署名する際に特に注意すべき条項はありますでしょうか。
③今回は私の契約違反等による退去ではなく貸主側の事情によって退去を求められている状況です。この場合、引越し費用や新居の初期費用等の負担を求める交渉は可能でしょうか。
④入居時に支払ったデポジットについて、貸主側の都合であるため返還を求めることは可能でしょうか。
⑤貸主側が物件の管理上の問題を以前から認識していたにもかかわらず、その状態で賃貸運営を継続していたという点について法的に何らかの問題となる可能性はありますでしょうか。
※なお現在の物件は不動産ポータルサイトを通じて募集されており、貸主側は宅建業免許を有する事業者です。
私としてはできれば大きな争いにはせず、一定期間の居住期間を確保したうえで転居費用等について交渉し、円満に退去したいと考えています。
法的な見通しと今後の交渉方法についてご意見をいただけますと幸いです。
今回の「2か月以内に退去してほしい」という要求については、直ちに応じなければならないとは考えにくいです。契約終了後も4年間居住を継続し、貸主も賃料を受領していた事情から、新たな普通借家契約が成立していると評価される余地があります。普通借家であれば、貸主からの解約には原則6か月の期間と正当事由が必要です(借地借家法27条・28条)。
半年後の退去で合意する場合は、退去日、立退料・敷金の金額と支払時期、原状回復費用の負担、違約金、清算条項などを特に確認すべきです。一度合意すると後から争いにくくなるため、署名前の確認が重要です。
貸主側の事情による退去であれば、引越費用や新居の仲介手数料・礼金等を含む立退料を求めて交渉することは十分可能です。立退料の申出は正当事由の判断要素にもなります。
デポジットが敷金に当たる場合、賃貸借終了・明渡し後、未払賃料や適法な原状回復費用等を控除した残額について返還を求めることができます。
貸主が管理規約上の問題を以前から認識しながら賃貸を継続していたのであれば、説明内容や契約経緯によっては、損害賠償等の問題となる可能性があります。少なくとも退去条件を交渉する上では重要な事情です。
そのため、まず契約書やこれまでのやり取りを確認し、退去時期・立退料等を含めて交渉するのがよいと思います。
北里先生
ご回答頂きありがとうございます。
直ちに立ち退きの必要がないとのこと、安心いたしました。
また半年後の退去で合意しても新居の初期費用負担についても交渉可能であるとのこと、
今後の交渉の貸主側と交渉していきたいと存じます。
ありがとうございました。