代表取締役印の実印と未登録印の法的違いと運用方法

会社で使用している代表取締役印の運用についてご相談です。
当社では、代表取締役印として以下の2種類の印鑑を保有しています。
① 法務局へ印鑑登録している代表者の実印
② 印影の文字の途中に「●」が付されており、法務局への印鑑登録を行っていない印鑑

現在、社内においてこれらの印鑑の使用区分や運用方法について意見が分かれています。一般的な企業実務および法律上の観点から、以下についてご教示いただきたいです。
代表者の実印と、印鑑登録していない代表者印の法的な違い ・契約書や取引関係書類における使い分けの考え方 ・印影に「●」が付された未登録印を使用することによる法的な問題の有無 ・実印と未登録印を併用する場合の一般的な運用方法や留意点。
なお、当社では未登録印について「社内用または一般的な対外文書用として使用できる」という意見と、「代表者印として使用すべきではない」という意見があり、見解が分かれている状況です。
法律上および企業実務上の観点からアドバイスをいただけますと幸いです。

法務局に登録している代表者印(会社実印)と、登録していない代表者印との大きな違いは、前者については印鑑証明書によって会社の登録印であることを客観的に証明できる点にあります。もっとも、通常の契約は当事者の意思の合致によって成立するため、契約書に会社実印を押さなければ契約が無効になるというものではありません。登録していない印鑑による押印でも、正当な権限に基づいて締結された契約であれば有効です。実印の場合には、印鑑証明書によって本人の印章との一致を立証しやすいという証拠上のメリットがあります。また、印影に「●」が付いていること自体に法律上の問題があるわけではありません。実印と区別するための「契約印」「副印」等として運用することも可能です。
実務上は、融資・保証、不動産取引、重要な基本契約など、印鑑証明書の提出を求められるものや重要性の高い取引には会社実印を使用し、それ以外の一般的な契約書、注文書、証明書等には未登録印を使用する、といった社内ルールを設ける方法が考えられます。重要なのは、どの印鑑を誰が保管し、どの文書について誰の承認で押印できるのかを明確にすることです。未登録印であっても「代表取締役印」として対外的に使用されれば、会社名義の文書として重要な意味を持ち得ますので、単なる社内印と同様に自由に使用させる運用は避けた方がよいでしょう。

迅速、また適格なご回答をいただき誠にありがとうございます。あらためて社内ルール等、どの文書について誰の承認で誰が押印できるのか社内で確認させていただきます。本当にありがとうございました。