確定判決取得後の残債回収における法的対応および注意点について
確定判決を取得済みの相手からの残債回収について、今後の適切な進め方と注意点をご教示いただきたく相談いたしました。
■現状と判明している事実関係
確定判決を取得済み。
1年前に裁判所で財産開示手続を実施(当時は「無職・無財産」と陳述、ゆうちょ銀行口座のみ申告)。
しかし開示手続のわずか1ヶ月後、家賃約9万〜10.5万円の賃貸マンションへ転入した事実を住民票で確認。
入居審査・初期費用・賃料支払いの実績から考えて、当時の財産開示での陳述内容(無職・無財産)には強い疑義・不審点があります。
先生に教えていただきたい点
財産開示から1年が経過し、直後に高級賃貸へ入居している状況において、相手の預貯金や勤務先を特定・回収するために実務上どのような手続きを取るのが最も効果的でしょうか。
裁判外で直接交渉を行う際、上記のような「財産開示直後の転入事実」を指摘して支払いを求めた場合、法律上注意すべき境界線や表現のポイントはありますか。
過去の財産開示で嘘の申告をしていた疑いがある場合、相手に対して法的にどのような追及やペナルティの手続きが可能でしょうか。
ご回答のほど、よろしくお願いいたします。
現時点では、まず預貯金情報取得手続を利用し、主要金融機関における口座の有無、支店名、口座番号及び現在の預貯金額を調査することが考えられます。
財産開示期日から3年以内であるため、債権の種類によっては勤務先情報取得手続も利用できます。ただし、勤務先情報を取得できるのは、養育費・婚姻費用等の扶養義務に関する債権又は生命・身体侵害による損害賠償債権に限られ、通常の貸金・売掛金等には利用できません。
口座又は勤務先が判明した場合は、情報提供後に資金を移動される可能性もあるため、速やかに預貯金又は給与の差押えを申し立てる必要があります。
高額な賃貸物件への入居は、現在の資力や収入を再調査する事情にはなりますが、それだけで過去の財産開示が虚偽であったとは断定できません。財産開示時点に存在した財産を、相手方が認識しながら開示しなかったことを具体的な資料により確認できた場合には、民事執行法違反として警察又は検察庁への告発・相談を検討します。
直接交渉では、判明した事情を示して任意弁済又は分割払いを求めることは可能ですが、勤務先や居住先の公表、刑事手続と引き換えにした支払い要求などは避けるべきです。
なお、今回の債権が養育費・婚姻費用等なのか、貸金等の一般金銭債権なのかによって利用できる手続が異なりますので、債権の内容と現在の債務名義を確認した上で具体的な申立方針を決めることになります。