Webマーケットプレイス運営における法的リスクと留意点
日本国内で、企業と個人クリエイター・インフルエンサーをつなぐWebマーケットプレイスを、個人事業主として開始予定です。
企業が、クリエイター自身が公開しているSNS投稿・UGC制作等のメニューを選んで依頼し、企業とクリエイターの間で直接業務委託契約が成立する設計を考えています。
運営者自身がクリエイターへ業務を発注するのではなく、運営者は以下を行います。
・マッチング
・チャット機能の提供
・納品管理
・決済
・企業からの代金の代理受領
・所定の手数料控除
・クリエイターへの報酬分配
・規約に基づくキャンセル、返金、完了処理
報酬額は運営者が自由に決めるのではなく、クリエイター自身が公開したメニュー価格を基準とします。
例えばメニュー価格が10,000円の場合、通常企業は12,000円を支払い、クリエイター受取額は8,500円、差額3,500円が運営者の手数料です。
決済にはStripe ConnectのSeparate Charges and Transfersを利用予定です。
想定フローは以下です。
企業がStripeで決済手続き
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この時点ではカード与信のみ
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クリエイターへ依頼通知
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72時間以内に承認または辞退
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承認時に決済確定
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案件実施
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サービス内チャットでやり取り
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SNS投稿URLまたは画像・動画等を納品
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企業が完了承認
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企業から72時間程度反応がない場合は自動完了
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クリエイター報酬確定
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初回報酬確定後にStripe Connectの本人確認・銀行口座登録
↓
毎月末締め・翌月15日に報酬支払い
クリエイター登録時や依頼受信時にはStripe Connect本人確認を求めず、案件完了・報酬確定後に初めて報酬受取設定をしてもらう設計です。
最低支払額は設けず、金額にかかわらず月末締め翌月15日払いとする予定です。
独自ウォレットやユーザー間の自由送金機能はなく、すべて個別案件に紐づく決済・精算のみです。
また、運営者が自由裁量で報酬減額や返金を決めるのではなく、キャンセル・返金・修正・自動完了等は、できる限り利用規約で事前に客観的条件を定め、その条件に従って処理する予定です。
確認したい点は以下です。
1.
この設計で、業務委託契約の当事者を「企業とクリエイター」とし、運営者を媒介者・代理受領者として整理することは可能でしょうか。
運営者が決済、代理受領、納品管理、返金処理等まで行うことで、運営者自身が実質的な発注者・契約当事者と評価される可能性はありますか。
2.
クリエイター報酬を「毎月末締め・翌月15日払い」とする場合、フリーランス新法の支払期日規制との関係で問題はありますか。
また、支払期間の起算日は企業による完了承認日ではなく、実際の納品日・給付受領日になるのでしょうか。
3.
Stripe ConnectのSeparate Charges and Transfersを利用し、企業から受領した代金を案件完了後までPlatform側で管理し、その後クリエイターへ分配する場合、資金決済法上の資金移動業、為替取引、預り金等に該当する可能性はありますか。
Stripe Connectを利用していても、運営者自身に別途登録・許認可等が必要になる可能性はありますでしょうか。
4.
企業からの代金を「クリエイターに代わって運営者が代理受領する」と利用規約に定めることで、収納代行・代理受領として整理できる可能性はありますか。
5.
運営者が規約に基づき、キャンセル・返金・72時間自動完了・チャージバック時の報酬調整を行う場合、どの程度まで関与すると実質的な発注者と評価されるリスクが高まりますか。
6.
利用規約上、最低限どのような点を明記すべきでしょうか。
特に、
・企業とクリエイターが直接の契約当事者であること
・運営者の代理受領権限
・報酬確定時点
・支払期日
・キャンセル、返金
・チャージバック
・報酬相殺
・自動完了
について、注意点があれば教えていただきたいです。
可能であれば、
「現状の設計で問題なさそうな点」
「利用規約で対応できる点」
「サービス設計自体を変更すべき点」
「個別に弁護士確認が必須な点」
に分けてご教示いただけると助かります。
媒介・代理受領型として整理する余地はありますが、実際の契約関係と資金の流れを確認する必要があります。
①現状の設計で整理可能な点
企業とクリエイターを直接の契約当事者とする構成は可能です。決済等の代行だけで直ちに運営者が発注者になるわけではありませんが、業務内容・報酬の決定、履行責任等への関与から実質的に判断されます。真に媒介にとどまる場合、フリーランス法上の発注者としての義務は原則として企業が負います。
②規約で明確にすべき点
契約成立時点、報酬と双方の手数料、代理受領権限と企業の支払義務が消滅する時点、支払日、キャンセル・返金・チャージバック・相殺の条件、自動完了の通知・異議申立て等です。個別案件の取引条件を明示する仕組みも必要です。ただし、規約への同意があっても、法令上禁止される報酬減額等はできません。
③設計を見直すべき点
支払期日規制が適用される取引では、原則、給付受領・役務提供から60日以内のできる限り短い期間に支払います。納品月末締め・翌月15日払いは通常この範囲内ですが、完了承認待ちで起算日を遅らせることはできません。
報酬確定後の本人確認で支払いが止まらないよう、受注前に受取設定を済ませるなどの見直しを勧めます。
④個別の弁護士確認が必要な点
Stripeの利用や「代理受領」との記載だけでは、資金移動業登録等が不要とは判断できません。企業の債務が消滅する時点、運営者の送金義務、資金の保有・送金・返金の実態を精査する必要があります。
本件は利用規約だけで解決できる問題ではありません。資金フロー図、画面仕様、規約案、Stripeの契約条件を揃え、開始前に決済法務に詳しい弁護士へ相談してください。