別居婚での婚姻破綻認定や不貞慰謝料の減額可能性は?
結婚当初からほぼ別居・別家計だった場合の、不貞慰謝料と財産分与について相談です。
婚姻期間は約3年、子どもはいません。
結婚当初から私は実家で生活し、夫とはほぼ別居でした。家計も別で、生活費のやり取りや共同口座はほとんどなく、それぞれ自分の収入で生活・貯蓄していました。
一方、住民票は夫宅で、夫の扶養にも入っていました。また、定期的に会ったり、旅行や性交渉があったことはあります。
私は婚姻中に約1年4か月、別の男性と不貞関係にありました。
夫は現在も再構築を希望していますが、私は離婚を考えています。
不貞発覚後、夫自身が「私には慰謝料を請求しない」という内容を含む書面を作成しましたが、双方とも署名・押印はしていません。
現在は夫の意向が変わり、私と不貞相手の双方に慰謝料請求すると言われています。
以下について教えてください。
① この婚姻実態でも、不貞開始時に婚姻関係が破綻または相当程度希薄化していたと評価される可能性はありますか?
② 完全な破綻が認められなくても、結婚当初から別居・別家計だったことは慰謝料の減額事情になりますか?
③ 夫が現在も再構築を希望していることや、以前「私には慰謝料請求しない」という未署名の書面を自ら作成したことは、慰謝料の成立・金額に影響しますか?
④ 婚姻後に各自が自分の収入で形成した預貯金・保険等は財産分与の対象になりますか?別居・別家計で互いの財産形成への寄与がほぼなかった場合、各自の財産と判断される可能性はありますか?
⑤ 財産分与では「夫婦で共同形成した財産がほぼない」と評価される一方、不貞慰謝料では「婚姻関係は破綻していなかった」と評価されることは、法律上両立するのでしょうか?
⑥ 私が不貞をした側でも、夫の方に財産分与対象の財産が多ければ、慰謝料とは別に財産分与を請求できますか?
実務上どのように評価される可能性があるか教えていただけると助かります。
①②については,そもそも婚姻の理由や当初から別居をしていた理由などが前提になると思います。
例えば単身赴任も別居婚にはなるわけです(家計は同一になりますが。)。
別居が婚姻破綻を窺わせる何かを有しているかどうかを具体的な事情で検討する必要があると思います。
③慰謝料は,本質的には婚姻破綻(離婚)に対するもの(不貞行為が原因となったこと)ですので,離婚するかしないかで変わってくる場合はあります。
一方,書面の作成はあまり理由にならないと思います。結局合意に至ってないわけですから。むしろ,慰謝料を請求するように心変わりした経緯や事情が重要になる場合もあるでしょう。例えば,不貞行為が継続している場合などです。
④別と評価される場合もあると思います。基本は同居して形成した財産が財産分与となるわけですから。この点も,具体的な経緯が判断には必要になると思います。
⑤両立すると思います。結婚は,家計だけで維持されるものではありません。
⑥私が不貞をした場合,有責配偶者ですので簡単には離婚が認められません。財産分与は離婚が前提です。相手方が離婚を求めるようになれば財産分与の可能性も出てきます。ただ,④とどのように調和させるのかの問題もあります。
いずれにしましても,本件についての具体的な事情に応じて変化する案件のように思います。
①②結婚当初から別居していた場合、それを前提に婚姻生活を開始したことになりますから、別居のみで破綻や減額として評価されるのは難しいと考えられます。
つまり、「もともと、そういう形の婚姻生活として始まったのだから、別居自体は、婚姻が破綻しているとか、夫婦関係が悪いという評価に繋がらない」可能性があるということです。
③ 影響しないと思います。不貞発覚後、すぐに今後の方針を決断ができず、気持ちが変わることは当然だからです。
④ 完全別家計・別居で、相互に資産形成への寄与がない場合、財産分与が認められない可能性はあります。
ただし、婚姻における資産形成への寄与は、かなり広く評価される(家事・育児なども含まれる)ため、婚姻共同生活の態様によっては、別家計・別居であっても、財産分与が認められる可能性があります。
⑤ 両立します。財産形成のみが婚姻関係の要素ではないため、「資産形成への寄与はないが、夫婦関係は破綻していない。」という評価はあり得ます。
⑥ 離婚する場合、不貞をした有責配偶者であっても、財産分与の対象となる財産があれば、財産分与は請求できます。
ご回答ありがとうございます。
一点補足です。
結婚当初から別居していた理由は、仕事等の事情ではなく、私自身が夫と一緒に住みたくなかったためです。夫も別居していることは認識していました。
この事情は、不貞開始時の「婚姻関係の破綻」または、破綻までは認められなくても「慰謝料の減額」の判断に影響するでしょうか?