著作権消滅後の楽曲の編曲、および著作権法38条1項と編曲権の関係についてのご相談
以下2点について、法的な整理を確認させてください。
1. 著作権が消滅した楽曲の編曲について
著作権(保護期間)が消滅した楽曲は、編曲(アレンジ)を含めて自由に利用できるという理解で正しいでしょうか。
JASRACは著作権を管理していますが、編曲権(著作者人格権に関わる同一性保持権を含む)については基本的にはJASRACの管理対象外であり、本来は著作権者本人への確認が必要と理解しています。
この点、著作権自体が保護期間満了により消滅している楽曲については、編曲権を含めた著作権法上の権利がすべて消滅し、編曲も自由に行えるという理解でよいか、確認したいです。
2. 著作権法38条1項(非営利上演)と編曲権の関係について
著作権が存続している楽曲について、非営利・無料・無報酬の要件(著作権法38条1項)を満たす演奏(非営利上演)を行う場合、この規定は演奏権(公に演奏する権利)についての主にJASRACへの許諾を不要とするものと理解しています。
この場合、演奏にあたって楽曲を編曲(アレンジ)することについても、38条1項の適用範囲に含まれ、権利者への別途の許諾は不要となるのか、それとも演奏権とは別に編曲権(著作権法27条、および同一性保持権)の許諾が必要となるのか、教えていただけますでしょうか。
1.著作権が消滅した楽曲については、ご記載の通り著作権法第27条に基づく編曲は可能です。
また、同一性保持権についても、著作者の死亡により消滅はします。
しかし、著作権第60条により、著作者の意に反した編曲は禁止されておりますので、例えば財団などが存在する場合は、当該楽曲を編曲することについて事前に承諾を得ていただくことが無難な対応といえます。
また編曲したものが、既に存在する他の編曲がありますと、その編曲された著作権との関係で許諾が必要となる場合もありますので、注意が必要です。
2.著作権法第38条1項は、楽曲をそのまま演奏することを想定した規定ですので、同条を根拠に編曲が可能と解釈することは難しいです。
したがいまして、編曲をする場合は、許諾が必要ということになります。