相続した築55年の貸家(契約書なし)の賃貸借契約を今から整備できますか?将来の建替えも見据えています
私(東京在住)は43歳で、沖縄県内にある相続不動産を管理しています。
養母から相続した土地(約835.46㎡)と、その土地上にある貸家3棟(各72.16㎡)について相談です。
建物は昭和46年(1971年)築のコンクリートブロック造・トタン屋根で、現在は私名義に相続登記済みです。貸家は1棟2世帯(2室)で、合計6世帯が入居しています。入居者は全員地域住民で、それぞれ単身者です。
家賃は1世帯あたり月額27,000円で、共益費や修繕費は徴収していません。一部入居者は祖父の代から長年貸しており、現在まで賃貸借契約書を取り交わしていません。ただし家賃は継続して受領しています。
現在、将来的な土地活用(アパート建築や土地売却等)を検討していますが、まずは賃貸借契約書を整備したいと考えています。
そこで以下について教えていただきたいです。
① 現在の状態は法律上どのような賃貸借契約とみなされるのでしょうか。
② 今から賃貸借契約書を締結することは可能でしょうか。
③ 契約書を作成することで、将来の建替えや立退き交渉に不利になる可能性はありますか。
④ 今から契約書を整備する場合、普通借家契約になるのでしょうか。それとも他の方法があるのでしょうか。
⑤ 将来、私が所有する別の賃貸住宅への住替えを提案しながら、段階的に建替えや土地活用を進めたいと考えていますが、その際に今から準備しておくべきことはありますか。
⑥ 建物は築55年程度経過していますが、老朽化を理由としてどの程度まで建替えや明渡しの正当事由として考慮されるのでしょうか。
また、現在2世帯については建物の外に家財やゴミを大量に積み上げている状態です。
防火・防災や近隣への影響も心配しています。
⑦ 入居者が屋外に積み上げている家財やゴミについて、貸主としてどのような対応が可能でしょうか。
⑧ 契約書がない現状でも撤去要請や管理ルールの設定は可能でしょうか。
将来的にはトラブルにならない形で関係を維持しながら、10~15年程度かけて不動産の再活用を進めたいと考えています。
どのような方針で進めるのが望ましいでしょうか。
よろしくお願いいたします。
ご相談のケースでは、契約書がなくても、家賃を継続して受け取っている以上、基本的には賃貸借契約が成立していると考えられます。
今から契約書を作成することも可能です。ただし、既に長期間続いている賃貸借ですので、単純に新しい契約を結び直すのではなく、これまでの契約関係を確認したうえで内容を整理する必要があります。
また、将来の建替えや土地売却を考えているのであれば、契約書の内容は重要です。特に、入居時期が古い方については、普通借家・定期借家の扱いや立退きの条件が異なる場合があります。
建物の老朽化も、明渡しを求める際の事情の一つにはなりますが、「築年数が古い」というだけで直ちに退去を求められるわけではありません。建物の安全性、修繕状況、建替えの必要性、住替え先の提案、立退料などを含めて総合的に判断されます。
屋外に家財やゴミを大量に置いている点については、契約書がなくても、防災上の危険や他の入居者への迷惑がある場合には、撤去や改善を求めることは可能です。今後のために管理ルールを整備しておくことも有効です。
今回のように、10~15年かけて土地活用を考えているのであれば、今の段階で各入居者の契約関係を整理し、将来の建替えや住替えまで見据えて契約書や管理方法を整えておくことをおすすめします。
入居時期やこれまでの経緯によって取れる方法が変わるため、契約書作成だけでなく、将来の建替え・明渡しまで含めた方針について、一度弁護士に相談するとよいでしょう。当職でもご相談をお受けしています。