契約書に沿って収益物件のサブリース解約を申し出ているのに
築2年木造アパートのサブリース解約と売却を進めています。特定賃貸借契約書により、解約違約金を支払って解約したいという意思を伝えたところ、レントロールの開示を断固拒否され、サブリース継続のまま売却を提案されています。ですが、これでは本来の物件価格を知らぬまま、不当に財産を得られない状況につながるのではないでしょうか。
仲介業者に相談したところ、『仲介での売却が難しければ、最終的には業者買取というルートも視野に入れられる』と言われています。ローンの完済は重要課題ですが、本来の物件価値を知らされないままサブリース継続で買い取るとなると、本当に得られるはずの利益をきちんと得ることができるのか不安です。
契約書の条項(要約)には、
第20条(中途解約に関する条項)内容: オーナー側からの中途解約のルール。オーナーが「賃料月額の3ヶ月分」の違約金を支払い、現入居者の契約を引き継ぐ(地位承継)ことを誓約し、サブリース会社がこれを承諾すれば合意解約ができると明記されている。
第21条(契約終了後の地位の承継に関する条項)内容: サブリース契約が終了し、オーナーが現入居者の契約を引き継ぐ(地位承継)際、サブリース会社側は「賃賃借契約書、鍵、その他地位の承継に際し必要な書類や情報」を速やかにオーナーに引き渡さなければならないと定められている。
しかし、違約金を払う意思も伝えているのにもかかわらず、解約の話は進めず、ローン完済をクリアしたいところだけを切り取って、サブリース継続前提の売却を進めています。また、レントロールの開示を拒否する以上、そもそも最初から解約させるつもりがないのではと、現状のサブリース会社側の対応に不満を持っています。契約書のとおり、解約に必要な金額を収める意思を示しているなど、何ら法的に罰せられるような過ちは犯していないと思っていますがどうでしょうか。
サブリース解約のうえで、売却とローンの完済、利益の獲得を考えています。この状況で仲介業者の方針に従ってしばらく動くべきか、弁護士を立てて情報開示と強制解約を迫るべきか、プロの見解を教えてください。
契約書第20条の定めに則って「賃料月額の3ヶ月分」の違約金を支払い、法的な手続きを踏んで解約を進めようとされている立場は正当です。サブリース会社がレントロール(実際の入居者の家賃一覧表)の開示を頑なに拒絶する背景には、物件の適正な市場価値や、自らが間に入って得ている中抜きの実態を隠蔽したいという意図があるかもしれません。
そこで仲介業者が「業者買取も視野に」と提案してきているのは、物件の価値を意図的に低く見せかけたまま、サブリース会社と結託している、あるいは息のかかった買取業者に安値で買い取らせ、その後、身内同士でサブリースを解除して高値で再販するという、悪質なスキームに巻き込まれている可能性もあります。
契約書の条項に目を向けると、第20条において違約金支払いによる合意解約のルールが、また第21条においては契約終了時に書類や情報を引き渡す義務が明記されています。サブリース契約には借地借家法が適用されるため、会社側は「合意解約を承諾しない」と突っぱねてくる可能性があります。しかし、所有者である相談者様の正当な売却活動を妨害するためにレントロールの開示を拒絶する行為は、賃貸借契約上の「誠実義務(信義則上の付随義務)」に著しく違反する不当な行為です。第21条で解約時の情報引渡義務を定めている以上、その前提となる手続きのための情報開示を拒むことは信義則上も許されません。
したがって、相談者様が取るべき最善かつ最も確実な対策は、現在の仲介業者での売却活動を直ちにストップし、不動産トラブルに強い弁護士を代理人に立てて、情報開示と解約交渉を迫ることも有効かと存じます。