美容室向けの口コミ動画サービス、景表法・ステマ規制で問題ない広告表現は?
個人事業主です。店舗向けに、来店したお客様の口コミとビフォーアフター(写真・動画)から縦型ショート動画を作り、「店の広告」として店のSNSで発信するサービスを準備しています。景品表示法・ステマ規制(R5.10)・特定商取引法の観点で、3点ご教示ください。
1. 写真・口コミの提供と使用同意に協力してくれたお客様へ、後日その動画を無料でお渡しします。「良い口コミを書いたら」ではなく「内容を問わず、協力への謝礼」の位置づけですが、ステマ告示や不当表示に当たりますか。安全な設計・表記があれば知りたいです。
2. 自社で内製して費用を抑えている旨を、他社の具体的な価格を出さずに「相場よりお得」と表現するのは、有利誤認(二重価格)のリスクがありますか。許容されるラインはどうやって決めたら良いですか。
3. 個々の動画を都度弁護士の審査に出さず、審査を受けた「制作基準」に沿って作る運用です。この場合、顧客や広告に「弁護士の広告審査を踏まえた基準で制作」等と表示してよいですか。
以下回答いたします。
1. 写真・口コミの提供及びその使用に同意していただいたお客様に対し、その協力への謝礼として、後日、完成した動画を無償で提供することについては、「良い口コミを書くこと」を条件としていないのであれば、直ちにステマ告示に該当するものではないと考えます。
ただ、動画の無償提供が景品表示法上の「景品類」に該当するかの検討は必要ですし、動画を広告として使用する際の口コミやビフォーアフターの表示が不当表示に該当しないかについては、動画制作にかかる価格、動画の内容等を踏まえて詳細に検討する必要がありますので、個別に弁護士に相談いただくのが良いかと思います。
2. 自社で内製することにより費用を抑えている旨を説明すること自体は問題ありません。また、他社の具体的な価格を示さずに、御社の提供価格を表示したとしても、それだけで直ちに有利誤認表示に該当するものではありません。
ただし、「相場よりお得」「通常より安い」など、一般的な市場価格と比較して有利な価格であることを示す表示をする場合には、その表示を裏付ける合理的な根拠が必要となります。例えば、「相場よりお得」と表示するのであれば、比較対象となるサービスの内容・価格等を調査し、御社のサービスがどの程度の価格水準にあるのかを客観的に説明できるようにしておくことが望ましいです。
そのため、「相場よりお得」という表示を使用するのであれば、比較対象となるサービスの内容及び価格を整理した上で、説明を求められた際に根拠を示せるよう準備いただくのが良いかと思います。
なお、「通常価格○円」「今だけ○円」などの二重価格表示については、実際には通常その価格で販売していないにもかかわらず、通常価格として表示するような場合には、不当な二重価格表示として有利誤認表示に該当する可能性がありますのでご注意ください。
3. 「制作基準」の内容にもよりますが、実際には個々の動画について弁護士による確認を行っていないにもかかわらず、「弁護士の広告審査を踏まえた基準で制作」と表示した場合、消費者からは、個々の広告について弁護士による審査を受けているとの印象を与える可能性があります。
そのため、実際の運用と表示との間に齟齬が生じ、景品表示法上の不当表示等の問題が生じる可能性があります。