会社による、私の顔が映ったドライブレコーダー映像の研修利用について相談したいです。
【時系列・事実関係】
私は会社員で、業務では社用車を使用しています。社用車には車外・車内の双方を撮影するドライブレコーダーが設置されており、事故や危険を検知した際に映像が記録・保存されるタイプです。
2025年1月、私が業務中に社用車で事故を起こしました。その際、車外の事故状況だけでなく、車内にいる私の顔や事故前後の様子もドライブレコーダーに記録されました。
事故状況の確認等のために会社が撮影・保存したこと自体については問題視していません。
問題としているのは、その後の映像の利用方法です。
会社では新卒社員・中途入社社員の新人研修に「事故研修」があり、実際に事故を起こした社員のドライブレコーダー映像を教材として使用しているようです。
2026年8月、今年度の新卒社員や入社時期の異なる中途社員など複数名から、私が2025年1月に起こした事故の映像を研修で見たと聞きました。少なくとも2025年4月頃から2026年8月現在まで、継続して使用されているものと認識しています。
研修では車外映像だけではなく、私の顔が識別可能な車内映像もそのまま使用されているとのことです。
また、複数の社員から、研修担当者が私について「事故を起こしたのに言い訳をしている」「悪い例である」といった趣旨の説明をしながら映像を使用していたと聞いています。なお、この発言については私自身が直接聞いたものではなく、研修を受けた社員から聞いた内容です。
私はこれまで、会社から「事故映像を新人研修の教材として使用する」との説明を一切受けていません。研修利用について許可・同意を求められたこともありません。
また、私が確認した会社の就業規則には、ドライブレコーダー映像を本人が識別可能な状態で研修資料として利用する旨の規定は見当たりませんでした。他の規程で定められているかは現時点では分かりません。
2026年8月10日、会社のヘルプセンターに対し、本件について問い合わせを行いました。しかし、8月18日現在、会社から回答や説明はありません。
【相談したいこと】
① このように、事故確認等のために取得された本人識別可能な車内映像を、本人への事前説明・同意なく長期間、新卒・中途社員向け研修で使用する行為は、肖像権・人格権・プライバシー権等の侵害として民法709条の不法行為に該当する可能性があるでしょうか。
② 顔が識別可能な映像は個人情報に該当すると思いますが、個人情報保護法上の利用目的の特定・目的外利用等(17条、18条、21条等)の問題になる可能性はありますか。また利用停止を求めることは可能でしょうか。
③ 「事故を起こしたのに言い訳をしている」「悪い例」といった説明を、本人の顔が分かる映像とともに新人社員へ示したことが事実であれば、名誉・人格権侵害やパワーハラスメント等の問題になり得ますか。
④ 私が会社に異議を申し入れ、利用停止を求めた後も会社が映像を使用し続けた場合、法的評価はより重くなるでしょうか。
⑤ 本件によって精神疾患等を発症し、医療機関で診断を受けた場合、会社の行為との因果関係を立証できれば、治療費・慰謝料等について民事上の損害賠償請求をすることは可能でしょうか。
今後会社と交渉する前に、証拠保全を含め、どのように対応するのが適切かについても相談したいです。
ご説明の事実が裏付けられれば、違法と評価される可能性があります。ただし、本人の同意がないことだけで直ちに違法となるわけではありません。
事故防止のための社内研修には合理的な目的があります。他方、顔をぼかすなどの方法で目的を達成できるのに、本人を識別できる映像を説明なく長期間、反復して見せ、個人を非難する説明まで加えていたのであれば、必要性・相当性を欠き、肖像・プライバシー等の人格的利益を侵害する不法行為となる余地があります。
本人を識別できる映像は個人情報に当たります。会社内での使用は通常、第三者提供ではなく、主な問題は利用目的です。会社が通知・公表した目的に事故防止教育が含まれていれば、個別の同意がなくても直ちに目的外利用とはいえませんが、事故調査・保険対応等に限定されていた場合は、目的外利用となる可能性があります。就業規則だけでなく、車両管理規程や個人情報保護規程等の確認が必要です。映像が保有個人データに該当し、違法な目的外利用又は権利・正当な利益を害するおそれが認められれば、研修利用の停止等を請求できる可能性があります。
「言い訳をしている」「悪い例」との発言が事実で、本人を特定した不必要な非難であれば、名誉・人格権侵害やパワーハラスメントとなる余地があります。ただし、現在は伝聞ですので、研修の日時、担当者、映像内容、発言の正確な文言を参加者に記録してもらうことが重要です。異議申立て後も、必要性を説明せず匿名化もしないまま使用を続ければ、会社に不利な事情となり得ます。
精神疾患についても、会社の違法行為との因果関係を立証できれば、治療費、休業損害、慰謝料等を請求し得ます。ただし、診断だけでなく、発症時期、症状の経過、他の原因の有無等の立証が必要です。
まず削除だけを求めず、研修利用の停止とともに、映像、研修資料、実施記録、アクセス記録等の保存を文書で求めてください。併せて利用目的、根拠規程、利用実績の説明を求め、問い合わせ記録や参加者の証言を確保した上で、弁護士への相談をお勧めします。
ご回答ありがとうございます。
参加者の証言について、現時点で以下の点を確認できています。
・事故時の車外映像だけでなく、私が映っている車内映像も研修で上映されていたこと
・車内映像では運転者の顔を識別できる状態だったこと
・研修受講後、その従業員と営業所で顔を合わせた際、「研修であなたが起こした事故の動画を見た」と私本人に伝えてきたこと
したがって、研修受講者が映像から私本人を識別できる状態だったと認識しています。
また、「事故を起こしたのに言い訳をしている」「悪い例」といった趣旨の説明については現時点では伝聞のため、研修参加者に誘導せず、担当者が具体的に何と説明していたかを確認し、記録として残したいと考えています。
この場合、参加者の証言は、メール・LINE等の文章、会話の録音、本人による書面化等のうち、どの方法で確保するのが実務上望ましいでしょうか。
また会社に対し、当該映像の研修利用停止とともに、ドラレコ映像、研修用映像・資料、実施記録、アクセス記録、社内メール・チャット・承認記録等を削除・上書き・改変せず保存するよう求めたいと考えています。
併せて、利用目的、研修利用の根拠規程、2025年4月以降の利用時期・回数・対象研修等についても説明を求める予定です。
8月10日に会社へ問い合わせていますが、現在も正式な回答がありません。
今後は通常のメール等で追加申入れを行うべきか、内容証明郵便等で利用停止・証拠保存要請を正式に通知すべきかについても、ご意見をいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
参加者のメール・LINE、会話の録音、本人作成の書面は、いずれも証拠となり得ます。誘導を避け、研修の日時、映像の内容、本人を識別した経緯、担当者の発言等を、参加者自身の言葉で記録してもらい、原データを保存することが重要です。
会社に対し、研修利用の停止、関係資料の保存及び利用状況の説明を求める方向性は相当と思います。ただし、メールと内容証明のどちらを用いるか、請求内容をどこまで具体化するかは、雇用関係への影響や証拠の状況も踏まえて判断する必要があります。また、保存要請だけで会社に法的な保存義務が生じるとは限りません。
ここから先は公開相談だけで結論を出すのではなく、参加者とのやり取り、8月10日の問い合わせ記録、就業規則等を持参し、弁護士に相談した上で、証拠の確保方法と会社への通知内容を決めることをお勧めします。