脅迫罪は子供がいなくても成立するかどうか

脅迫について。
人物に対して、お前のガキを殺してやると脅迫した場合、脅迫罪は成立するとは思うのですが、その人物に子供がいない場合は脅迫罪は成立しますか?
とある人に脅迫メールをされました。私には子供はいません。

仮に起訴されたとして、いない子供に対して脅迫して、起訴された場合どのような起訴状になりますか?

脅迫罪は,本人又は親族に対する害悪を告知した場合に成立する犯罪です。
文言だけみれば,子という親族に対する害悪を告知していますから,該当します。ただ,その文言がどこまで含むかの解釈が必要となります。
この場合,告知者と被告知者とがどのような関係にあるかが問題になると思います。
二人に親交があり,被告知者に子どもがいないことを知っていた場合,この文言は冗談であったとの域に留まり,脅迫罪は成立しないでしょう。故意が認められません。
一方,二人がそこまでの親交がない(全く関係ないも含む)場合,この害悪の告知は,基本的に被告知者に向けられたものになると思います。
この場合,子がいなければ自分が殺されるかもしれないとの恐怖を与えることになるわけですから,客観的にも脅迫行為に該当する可能性が出てきます。
子どもがいないから,言われた方はビビらないじゃないかと思うかもしれませんが,脅迫罪の成立に被告知者が実際に畏怖したか否かは関係ありません。
したがって,二人の関係から,シンプルに告知者が被告知者を畏怖させるために述べたものであれば,脅迫罪が成立する可能性はあると思います。
もっとも,本人に対する脅迫罪は刑法222条1項,親族に対する脅迫罪は同条2項と別になります。親族自体はいませんので,本人に対する自由に対する害悪の告知という形で処理するのではないかと思います。子がいなければ被告知者も含むという内容で双方から調書が作成できれば,生命,身体に対する害悪の告知ということでも可能になるかと思います。

その場合の公訴事実(起訴状)は,単純に
「被告人は,令和○年○月○日,△△において,Aに対し,「お前のガキを殺してやる。」旨のメール文書を送信し,もって,同人の生命,身体,自由に危害を加える気勢を暗に示して同人を脅迫したものである。」
というものになるのではないでしょうか。「暗に」となるため,当事者間の関係や,告知者の主観面,被告知者の不安感などが起訴するか否かの要素となってくると思います。
一般人が畏れる文言を述べれば,基本的には脅迫罪に該当すると考えるのが自然だと思います。そして,「お前のガキを殺してやる。」は十分に該当しますから,客観的には問題ないわけです。あとは,どのように法的構成するかだけの話だと思います。学術的には,不能犯ではなく故意だと思います。

ありがとうございます。
私に対する脅迫も来ました。
この場合は私一人で被害者になれますか?
また、子供がいない場合でも同人の親族に対しても脅迫したと起訴状に書かれますか?

私に対する脅迫があるのであれば,これは問題なく,相談者一人が被害者になります。
子どもがいない場合は,2項に該当する形にはなりません。当職が先程記載したとおりの公訴事実になります。
子どもを殺す旨の脅迫は,存在しない子どもへの害悪の告知での脅迫はなく,その親自身に対する害悪の告知と評価できるか否かの問題になるのです。

それでは起訴状には同人及び、親族に脅迫したとは書かれない(親族に脅迫したの部分は書かれない) ということでしょうか

相談者が被害者とされる脅迫罪について
1 被害者宛のメール
2 被害者の子どもを対象とした被害者宛のメール
を併合罪として訴え提起するか,1のみで起訴するかの検討をされると思います。
2についてどのように検討されるは,既に説明したとおりです。
1のみで訴えて情状として評価する場合もあるでしょうし,2度の事実による影響や意図を考慮して併合罪とする場合もあるでしょう。
その点は,具体的内容になりますので,事案に応じてとしか回答できないことをお許しください。

この場合、
包括一罪ではなく、併合罪になるのでしょうか?

また仮に、私に実際に子供がおり。
私に対して、お前を殺す、お前の子供を殺すという脅迫メールが来た場合、これは
包括一罪ではなく併合罪になるのでしょうか?

何度も質問してしまい、申し訳ございません

このメールの内容が同じメールで送られているような場合は,(包括)一罪になります。送信する行為は一つでしかありません。
別のメールで送られている以上,行為として二つ存在しています。したがいまして,基本的には二つの罪が存在する併合罪になります。
ただ,とても近接している状態であった場合などには,包括一罪として処理される場合もあります。
暴力を受けた時に,殴る,蹴るという二つの行為がありますが,一つの行為にまとめて処理される場合と同様だと思って下さればよいです。
同じ意思の状態に基づいて行ったのであれば,包括一罪として評価されやすいでしょう。
間に何かを挟めば,別罪(併合罪)として処理されるでしょう。
これらは具体的な事情により変わりますから,どうしても気になるのであれば,お近くの弁護士の方に相談されるとよいと思います。
この場は,公開の場であり,かつ,事務所での面談でもありませんので,この程度の回答が限界になることをお許しください。