ホームページ制作における使用した画像や文章の著作権について
個人事業主です。
デザイナーへ自社商品のホームページ制作を依頼しました。契約書は作成しておらず、報酬を支払い、納品は完了しています。
ホームページに使用されている素材は、
・商品写真
・人物写真(自社で撮影したもの)
・ブランド名、ロゴ
・商品情報
・文章、キャッチコピー
・販売コンセプト
など、すべて当方が作成・撮影・提供したものです。
デザイナーは、それらの素材を使用してこちらが希望したデザインにレイアウトし、ホームページを制作しました。
ところが納品後、「今後の営業活動のため、制作実績(ポートフォリオ)として、デザイナー自身のホームページやSNSへ掲載したい」と言われています。
自社の商品写真やブランド、人物写真などを、今後もデザイナーが営業目的で自由に掲載・利用することは認めたくありません。
今回依頼したホームページの中で
当方が提供したもの以外を掲載するのなら 掲載は良いですが
デザイナーから提案してきたデザインや画像はほぼなく、何も掲載出来ない状態になります
① このような場合、写真・文章・ブランド名・ロゴ・販売コンセプトなど、当方が作成・提供した素材の著作権等は、こちらに帰属すると考えてよいのでしょうか。
② デザイナーはホームページ全体のデザインを制作していますが、こちらが制作実績としての掲載を拒否した場合でも、デザイナー自身のホームページやSNS等へ掲載することはできるのでしょうか。
③ 当方が明確に拒否しているにもかかわらず掲載された場合、著作権や肖像権等を理由として、掲載停止や削除を求めることは可能でしょうか。
④ また、一般的に他人が写っている写真を本人の承諾なくSNS等へ掲載し、問題となるケースがありますが
本件のように、こちらが掲載と利用を拒否している状態で デザイナーが制作実績として人物写真や商品写真を営業目的で掲載した場合も、同様の法的な考え方になるのでしょうか。それとも別の考え方になりますでしょうか。
宜しくお願い致します。
結論として、デザイナーに「制作実績」として自由に掲載できる当然の権利があるわけではありません。ただし、提供した素材すべての権利がご相談者に帰属する、と一括して整理することもできません。
ご自身が撮影・執筆した写真や文章は、創作性があれば原則としてご自身が著作権者です。
他方、ブランド名、文字主体のロゴ、商品情報、短いキャッチコピー、販売コンセプトなどは、通常、著作物には当たりません。ただし、ロゴに独自の図形やイラスト等が含まれる場合には、その表現部分が著作物となる可能性があります。
また、人物写真の著作権は撮影者に、肖像に関する権利は被写体本人に帰属します(著作権法2条・17条)。
ウェブサイト全体に当然に著作権が生じるわけではありません。デザイナーが独自に制作したイラストやバナー等は別として、一般的なレイアウトや配色、依頼者から提供された素材を希望に沿って配置した部分には、通常、著作物性は認められにくいと考えられます。仮に具体的な画面構成の一部に創作性が認められても、その権利は当該部分に限られ、ご相談者の写真や文章等を制作実績として掲載する権限まで当然に生じるものではありません。
もっとも、契約書がなくても、見積書、メール、利用規約等に実績掲載への同意があれば別です。また、単に制作を担当した事実を記載したり、公開中のサイトへリンクしたりする行為まで当然に禁止できるとは限りません。
人物写真については、通常のSNSへの無断掲載と同様、掲載目的、態様、必要性、本人の特定可能性等から判断されます。営業目的であり、本人も掲載を拒否していることは、違法性を認める方向の事情となりますが、自動的に肖像権侵害となるわけではありません。
まず、見積書、メール、チャット、デザイナーの利用規約を確認したうえで、「提供素材及びこれを含む画面の複製・SNS掲載を許諾しない」と書面で明確に通知することをお勧めします。すでに掲載された場合は、URL、掲載日時、画面を保存してから削除を求めてください。