賃貸契約更新時の大家からの退去要求への法的対応方法は?
現在住んでいる賃貸住宅(普通借家契約)に約12年間住んでいます。
2022年の更新時に、大家さんから「今回で最後の更新にしたい」という話がありましたが、話し合いの結果、「2年ごとに今後について協議する」という内容で更新しました。
2026年の更新時期になり、大家さんから「2年間の定期借家契約に変更し、2年後には退去してほしい」と求められました。しかし、我が家には子どもがおり、現在の住環境や学校、地域とのつながりを考えると、2年後の退去を約束することができません。また、転居費用を2年以内に準備できる見込みもありません。
そのため、定期借家契約への変更や2年後の退去を約束することには同意していません。もし定期借家契約に変更するのであれば、立退料や引越し費用、原状回復費用の負担などの条件を明確にしていただきたいと考えています。
現在まで更新契約は成立しておらず、契約内容について協議が続いています。
また、法務局で登記事項証明書を取得したところ、大家さんが住んでいる家は娘さん名義になっていることが分かりました。一方で、私たちが借りている建物については建物の登記が見当たらず、土地の登記なども確認しています。この点が今回の契約や「自分たちが住むために明け渡してほしい」という主張に影響するのかも含めて相談したいと考えています。
相談したい内容は次のとおりです。
・現在の状況で大家さんから退去を求められた場合、法的に応じなければならないのか。
・普通借家契約から定期借家契約への変更を拒否できるのか。
・大家さん側の事情(所有関係や自己使用の必要性など)が更新拒絶の正当事由として認められる可能性。
・今後どのように交渉を進めるのがよいか。
・契約書やこれまでのやり取りで注意すべき点。
現在の契約は普通借家契約であり、更新拒絶や退去要求には借地借家法28条上の「正当事由」が必要です。貸主の一方的な希望だけでは、直ちに退去義務が生じるものではありません。
普通借家契約から定期借家契約への切り替えは、既存の普通借家契約を合意解約したうえで新たな定期借家契約を締結する形になりますが、これは任意の合意が前提であり、借主が同意しなければ成立しません。
12年間の居住実績、子どもの学校や地域とのつながり、転居費用の準備が困難な事情などは、借主側の強い居住継続の必要性として正当事由判断において重視される要素ですので、貸主側にかなり具体的な事情と立退料などがない限り、更新拒絶が認められるハードルは一般的に高いと考えられます。
建物が未登記であること自体は、賃貸借契約の有効性を直ちに否定するものではなく、引渡しがされていれば賃貸借の効力は原則有効とされています。
今後の交渉では、①現在は普通借家契約が継続しており定期借家への変更に合意していないこと、②貸主側の事情(誰が所有者で誰が実際に住む予定か等)を具体的に書面で説明してほしいこと、③自分たちの居住継続の必要性を丁寧に伝えること、を基本方針としたうえで、仮に一定時期の退去を検討する場合には、立退料・引越費用・原状回復費用負担などの条件を明確にした書面を作成することが重要です。
契約書では、更新条項・解除条項・期間の定め・定期借家に関する記載の有無、これまでの更新時の合意内容(「今回で最後」などの文言)が、借主不利な特約として無効になり得るかどうかも含めて検討ポイントになりますので、署名押印前に内容を十分に確認し、不明点は弁護士に相談することをおすすめします。
ありがとうございます!
ちなみに、本契約にはもう不動産が間に入っていないのですが、契約時に仲介していただいた不動産の契約書をそのまま引き継いで使用しております。これは効力としてはかわりませんか?
不動産の契約書の書式をそのまま流用して更新をするという趣旨であれば、契約内容は特に変わりません。双方の交渉によって新たに加えられた条項や修正部分が更新後の契約に影響するという整理でよろしいかと思います。