自転車事故後の刑事手続や示談の流れと起訴の可能性について
友人が自転車同士の交通事故を起こしてしまい、今後の刑事手続や示談について相談させていただきたく、ご連絡しました。
事故は交差点で発生し、友人が運転していた自転車と、配達員の方が運転していた自転車が衝突しました。友人には信号無視があった可能性があり、事故の原因になったと考えています。
(防犯カメラがなく判明不可。なお目撃者看板がてられてました。友人は動揺し、赤か青かが定かではないとのこと)
事故直後は友人がすぐに救護を行い、警察への通報やその後の事情聴取にも誠実に対応しています。被害者の方は捻挫で全治2週間と診断され、通院は2回程度と聞いています。現在のところ、後遺障害などの話はありません。
現在は警察による捜査中で、まだ検察への送致や処分は決まっていません。被害者の方は「悪い方向にはしたくない」と話しており、示談による解決を希望しているようです。友人としても、治療費や休業損害、慰謝料などの適正な賠償を行い、できるだけ早く示談を成立させたいと考えています。
私が一番気になっているのは、友人が起訴される可能性や、前科が付く可能性です。
このような事案では、一般的に不起訴となる可能性が高いのか、それとも略式命令による罰金や正式起訴となる可能性が高いのか、実務上の傾向を教えていただきたいです。
また、示談が成立した場合、検察官の処分判断にどの程度影響するのか、今後どのような流れで対応するのが望ましいのかについてもアドバイスをいただけますと幸いです。
【交通事故で相手方に傷害を負わせた点について】
赤色信号無視がない場合は,過失傷害罪が適用されます。
過失傷害罪は親告罪です。そのため,被害者の方の刑事告訴がなければ,処罰されることはありません。
ということは,「悪い方向にはしたくない」との被害者の方であれば,示談が成立すれば告訴をすることはないと思います。
したがいまして,被害者との示談を優先し,これにより告訴がない状態とすれば,刑事処分を受けることはなくなります。
一方,赤色信号無視があった場合は,少し複雑になります。
単純に過失傷害罪と判断されるのであれば,赤色信号無視がない場合と同じで,親告罪となります(結論は上記と同じです。)。
ただ,赤信号無視(といっても,本件では殊更無視にはなりません。看過です)は過失の中でも重大なものですから,重過失致傷罪が成立すると判断される場合もあり得ると思います。重過失致傷罪は親告罪ではありません。
もっとも,自転車より重い自動車の場合には,過失運転致傷罪であっても,「傷害が軽い場合には,情状により,その刑を免除することができる」との規定があります。したがいまして,不起訴にされる可能性が大きくなるのです。
そうすると自転車でも同様に考えられ,2週間の怪我であれば,被害者の意思により不起訴につながる可能性が大きくなるでしょう。やはり示談交渉は大事になると思います。