離婚調停で日記を証拠提出する際の注意点は?

離婚調停で提出する日記の証拠について質問です。
夫婦関係悪化の経緯を記録した日記があり、時系列で一連の流れを説明した資料の裏付け資料として提出を検討しています。

日記には、
・実際に起きた出来事
・相手方や親族の発言内容
・当時の自分の感情や受け止め方
が記載されています。

一方で、一部には当時の心情として、

「考え方が古い」
「対応に問題があると思った」
などの評価的・感情的な記載も含まれています。(自分がそう思ったこともあれば、第三者に相談し第三者が発言した言葉も含まれている)

このような日記を証拠として提出する場合、

① 感情的・評価的な部分は黒塗りして提出した方がよいのでしょうか。
② それとも当時の記録として原文のまま提出した方が証拠価値は高いのでしょうか。
③ 一部を黒塗りした場合、裁判所や調停委員から「都合の悪い部分を隠している」と受け取られる可能性はありますか。
④ 調停段階において、日記はどの程度まで開示するのが一般的でしょうか。

一般的な実務上の考え方をご教示いただけますと幸いです。

一般論として、当事者本人が作成した日記は、それが日記に書かれた日付(期間)に作成されたものであるのか(紛争になってから後付けで作られたものではないか)という信用性が争われることが比較的多い証拠といえます。
日記は、その性質上、本人がその都度日記帳等へ記入し、それが一定期間積み重なることで日記としての証拠価値が認められるものですので、もし日記の記載内容等が争いになる場合は、その日記帳そのものの状態を確認する作業も、日記帳の信用性を判断する上で重要な要素となります。長期にわたり日々書き綴られた日記であれば、日記帳の折れや汚れ等の使用感、それぞれの日に書かれた日記の文字の太さ・濃さ・書きぶりの違い等がわかるはずであり、ページの抜けや日付の不自然なばらつき等もないはずだからです。
「日記」といっても、綴られている期間が短い、日記帳として使われているノートが古びていない、筆圧やインクの状態が均一といった状況があると、日記帳としての信用性に疑義が持たれることになります(例えば、日記帳に使われたノートの販売時期と日記に記載された日付に矛盾がないかどうか、という調査をすることもあります)。
このように、日記を証拠として提出する場合、その原本確認が重要になる局面が多いことから、書証として提出する場合にマスキング等を施すことは、それが明らかに事案と無関係な場所であることが明らかであるといった場合は別として、信用性の判断に影響することが少なくないと思われます。

また、そもそも調停段階で日記帳を証拠として提出することが適切なのか、仮に証拠として提出するとしてもどのタイミングが適切なのか、という問題も考える必要があるでしょう。
調停は話し合いの場であって、離婚訴訟とは異なり、裁判所が証拠に基づく事実認定や判断をするわけではありません。また、日記は上記のとおり信用性が問題になることが多い証拠であるため、日記帳を決定的証拠であるかのように提出してしまうと、それ以外に有力な客観的証拠がないのではないかと見透かされるなど、手続上必ずしも有利とはいえない可能性があるからです。

① 感情的・評価的な部分は黒塗りして提出した方がよいのでしょうか。
② それとも当時の記録として原文のまま提出した方が証拠価値は高いのでしょうか。
③ 一部を黒塗りした場合、裁判所や調停委員から「都合の悪い部分を隠している」と受け取られる可能性はありますか。
④ 調停段階において、日記はどの程度まで開示するのが一般的でしょうか。

基本的には全部出します。
もっとも、プライバシー侵害や他の犯罪などが問題になりそうな部分、開示が禁止されている守秘的なものなどは黒塗りもあり得ます。
あるいは、黒塗りで出したうえで、調停委員にだけ、原本を確認してもらうということも可能です。