婚約者の代理弁護士からの慰謝料請求への対応について
3-4ヶ月のあいだ婚約者がいる方と不貞行為がありました。
まわりからのニュアンスで婚約したかもということは聞いていましたが、不貞相手に聞いても婚約したとは名言はなかったです。
先日不貞相手の婚約者から代理弁護人を通じて50万円の請求と接触禁止による和解案が通知されました。婚約破棄には至っていないようでした。
このような婚約破棄に至っていない例について、婚約関係を破綻させたわけではないのに、慰謝料請求に応じる必要はあるのでしょうか。減額の余地などもおしえていただきたいです。
婚約していたことを知っていたというメッセージや録音の証拠はないです
婚約者がいる方との関係であっても、当然に慰謝料支払義務が発生するわけではありません。婚約者から慰謝料請求を受けている場合、まず、法的に保護される婚約関係が成立していたといえるか、その婚約関係を貴方が知っていた、又は知り得たといえるか、不貞行為によって婚約関係にどのような影響が生じたかが問題になります。婚約破棄に至っていない場合でも、婚約関係を侵害したとして慰謝料請求が全く認められないとは限りませんが、慰謝料額を考えるうえで減額方向の事情になり得ます。
また、貴方が「婚約したかもしれない」という周囲の話を聞いていたとしても、それだけで直ちに婚約の事実を知っていたと評価されるとは限りません。相手本人に確認しても明確な説明がなかったこと、婚約を知っていたことを示すメッセージや録音がないことは、貴方に有利な事情だと思います。もっとも、実際には、婚約指輪、両家挨拶、結婚式場の予約、同居・結婚準備、周囲への報告、SNS投稿、貴方とのやり取りなどから、婚約の成立や貴方の認識が推認されることはあり得ます。
50万円という請求額については、婚約破棄に至っていないこと、交際期間が3〜4か月程度であること、婚約認識に争いがあることなどを踏まえると、減額交渉の余地はあると思います。接触禁止条項を含めて早期解決する趣旨で一定額を支払うという方針が現実的とも考えられるところです。
対応としては、支払義務を全面的に認めるのではなく、相手方代理人に対し、婚約成立を基礎づける事情、貴方が婚約を知っていたとする根拠、請求額の内訳を確認したうえで、支払義務の有無や減額交渉を検討するのがよいと思います。合意する場合にも、清算条項、接触禁止条項、口外禁止条項、違約金条項などの内容には注意した方がよいでしょう。
婚約については、法的に婚約が成立していたと評価される状況である場合、慰謝料請求権が生じる可能性があるでしょう。
また、婚約破棄に至っていなかったとしても慰謝料請求権は発生し得ます。
相手方代理人弁護士からの書面を弁護士に確認してもらい、個別に相談の上アドバイスを受けると良いでしょう。