不倫旅行のアリバイ作りに協力した同僚の法的責任は?
夫が出張と偽り不倫旅行していました。
「出張を代ってもらってごめんね」と会社の同僚からアリバイ電話がきました。
同僚は夫になんと言われて頼まれたのかはわかりませんが、
同僚本人が「不倫の事実は知らなかった」と否定すれば幇助者とするのは難しいですか?
難しいです。
不法行為の幇助責任を問うには、不倫の事実を知っていたことが必要です。
また、電話だけですと証拠も残っていないでしょう。
そもそも、不貞行為の存在によって相談者に生じるのは金銭の損害賠償請求権ですが、アリバイ作りに協力したことで相談者にどのような損害が生じたのか、という点が問題となります。
ほう助と言えるかどうか、という問題は、不貞行為のほう助については問題となるかもしれませんが、単に不貞行為の発覚を遅らせるアリバイ工作という意味であれば、それによって相談者にいかなる損害が生じたのかが明らかでないと、そもそも同僚の方の責任追及をする意味がまずないと思います。
共同不法行為者と言えるかどうかという点が問題となるかと思われますが、そもそも不貞行為という認識の上で、婚姻関係を害する目的で協力したということが言えない場合、責任追及は難しいでしょう。
同僚の方に対して責任追及できるかどうかは、その同僚が不貞の事実や不貞当事者の旅行であることを知りながら、積極的にアリバイ作りへ協力したといえるかどうかによると考えられます。単に貴方の夫から「出張の件で電話してほしい」「仕事上の都合で口裏を合わせてほしい」などと言われただけで、不貞旅行であることを知らなかった場合には、不貞行為の幇助者としての責任を問うのは難しいと思われます。一方で、同僚が不貞旅行であることを知っていた、相手女性の存在を知っていた、虚偽の出張話を作ることに積極的に協力していた、発覚を避けるための具体的な口裏合わせをしていた、などの証拠があれば、例外的に責任追及を検討する余地はあります。もっとも、同僚本人が「知らなかった」と否定する場合、それを覆すには、LINE、メール、通話履歴、夫とのやり取り、旅行日程との整合性などを客観的資料に基づいて検討することが必要となります。そのため、現実的には、まずは夫と不貞相手に対する請求を中心に考え、同僚への責任追及は慎重に検討した方がよいでしょう。