名誉毀損による損害賠償請求権の消滅時効の起算点について(民法724条)

【私の立場】
私は、ある人物(以下「相手方」)を被告とする民事訴訟の原告です(別件・現在係属中)。その相手方が私について事実と異なる申告を警察に行ったことを理由に、相手方に対して別途、名誉毀損による損害賠償請求(民法709条等)を検討しています。ご相談したいのは、その請求権の消滅時効の起算点です。

【事実経過】
1. 令和4年(2022年)頃、相手方が警察署に対し、私に関する事実無根の申告(私の研究内容、SNSの利用状況、私の性格等)を行いました。

2. これに基づき、警察から私に対してストーカー行為に関する「警告」がなされました。ただし、警察から受け取った書面には「申告があった」旨が記載されているのみで、相手方が具体的に何をどのように述べたのかは一切示されていませんでした。

3. その後、私自身が警察に対して情報公開請求を行い記録を取得しましたが、第三者の個人情報保護を理由に大幅に黒塗りされており、相手方の具体的な申告内容は確認できませんでした。

4. 令和7年(2025年)7月9日、相手方自身が、保有個人情報開示請求で取得した黒塗りのない警察記録(処理経過簿等)を、上記の係属中訴訟に乙号証として提出しました。私はこのとき初めて、相手方が「いつ・何を・どのように」述べたのかという具体的な内容を確認できました。

【お伺いしたい点】
名誉毀損による損害賠償請求権の消滅時効(民法724条1号「損害及び加害者を知った時から3年」)について、本件の起算点をどう考えるべきかをご教示ください。

・令和4年に「警告」を受けた時点では、申告があったこと自体は分かっても、その具体的な内容(=名誉毀損の対象となる加害行為の中身)は知り得ませんでした。この場合でも、起算点は令和4年になってしまうのでしょうか。

・相手方が黒塗りのない記録を提出し、私が初めて具体的な加害内容を認識できた令和7年7月9日を起算点と主張することは、裁判実務上、現実的な主張といえるでしょうか。

受任を前提とするものではなく、一般論としての見通しの方向性をお示しいただけるだけで十分です。どうぞよろしくお願いいたします。

元警察官の弁護士です。

①そもそも警察官への申告が名誉毀損になるのかという問題があります。

②その上で、その点をクリアしたと仮定して回答します。
起算点はR4警告時とする見方(相手方)もあり得ますが、具体的な申告内容を知らない段階では「損害を知った」とは言えないとの反論(こちら側)は成立します。
R7/7/9起算点の根拠は、R4時点では内容不知であり請求は困難というものです。
ただし、R4の行為状況や内容などから、警察官から警告があれば「行為」と「警告」が結びつくので、R4時点とされる可能性は残ります。