損害賠償請求(保険調査費用)の支払い交渉に関する相談

【1. 相談の概要】
損害保険会社より、保険金不正受給に関連する調査費用として約71万円の請求を受けています。
現在、相手方の弁護士と交渉中ですが、相手方の要求が非常に強圧的であり、現実的な解決策(分割払い)の提案を聞き入れてもらえず困っています。
【2. 現在の状況】
• 請求額: 約71万円(関与者2名に対する連帯請求)
• 相手方の要求: 8月末までの完済、および3回程度の分割払い
• 相手弁護士の言動:
• 「借金をしてでも払え」という要求
• 「今回の件で分割払いのケースは原則ない」
• 「あなたが払わないなら、もう一人の関与者に全額請求するだけだ」という揺さぶり
【3. 相談者の経済状況】
• 現在、勤務先(自動車ディーラー)を退職する手続き中であり、今後の収入が不安定になる見込みです。
• 一括または3回での支払いは物理的に不可能ですが、全額を支払う意思はあります。
【4. 弁護士先生に伺いたいこと】
1. このような事案において、相手方が主張するように「分割払いは一切認められない」というのは法的に正当な主張でしょうか?
2. 「借金を強要する」ような交渉態度は、弁護士の職務倫理や公序良俗の観点から問題ありませんか?
3. 関与者2名で「連名による長期分割案」を提示しようと考えていますが、相手を納得させるための有効な交渉材料(または、これ以上追い詰められないための法的な盾)はありますか?
4. このまま交渉が難航し、訴訟に発展した場合、裁判所ではどのような支払い命令(分割の可否など)が出る可能性が高いでしょうか?

ご返答ありがとうございます。
一括請求が原則ということよく分かりました。

こちら双方共に一括で支払う能力がないのは確かで支払う能力がないのに一括請求をするのは無駄ということも保険会社は分かっているかと思います。
経済的な理由で払えないことを明記することは有効でしょうか?

1. このような事案において、相手方が主張するように「分割払いは一切認められない」というのは法的に正当な主張でしょうか?
 →そもそも不当利得の返還や損害賠償金の支払は一括払いが原則であり、分割払いが認められるのは合意で期限の利益が設定されたいわば「例外」です。
  そのため、期限の利益が定められた契約において「分割払いは一切認められない」というのは誤りですが、不当利得の返還等で「分割は認められない」とのいうのは法的に見て間違っていません。
2. 「借金を強要する」ような交渉態度は、弁護士の職務倫理や公序良俗の観点から問題ありませんか?
 →言い方にもよりますので何とも言えませんが、「他者から借入をしてでも支払ってほしい」という程度の内容であれば、正当な業務行為としての交渉の範囲内と思われます。害悪を告知するような態様の場合は脅迫罪に該当する可能性もありますが、具体的な言い方がそれにあたるかどうかはケースバイケースです。
3. 関与者2名で「連名による長期分割案」を提示しようと考えていますが、相手を納得させるための有効な交渉材料(または、これ以上追い詰められないための法的な盾)はありますか?
 →相手方からすればどちらから回収しても早期に回収できることがベストであるため、まとまった頭金を入れて、残りはどちらかが分割というのが一番応じてもらいやすいでしょう。
  「連名による長期分割」というのは支払い義務者がはっきりしないため、通常は債権者に嫌がられます。
4. このまま交渉が難航し、訴訟に発展した場合、裁判所ではどのような支払い命令(分割の可否など)が出る可能性が高いでしょうか?
→裁判所が金銭請求を認容判決する場合は分割は通常認めません。一括で支払えという判決になります。
 裁判官が分割払いによる和解案を示す可能性はありますが、相手方が応じなければ判決は通常、一括払いとなります。