不倫関係での内容証明に対する適切な対応策とは?
既婚男性と交際していた件で、相手の妻の代理人弁護士から内容証明郵便が届きました。
【これまでの経緯】
・相手の妻側の内容証明には、「円満解決を希望する」との記載がありました。
・一方で、不貞の具体的内容(期間、回数、肉体関係の有無など)については明確な記載がなく、請求の根拠もかなり抽象的な内容でした。
・3名の弁護士に文面を見てもらいましたが、「比較的珍しく、具体性に欠ける内容」との意見でした。
【その後のやり取り】
・こちら側で弁護士を依頼し、請求理由および内容の確認を求めました。
・これに対し、相手側から「損害賠償請求訴訟を予定しており、請求額は220万円である」との回答がありました。
・その後、こちら側は、謝罪、接触禁止、解決金40万円の支払いを内容とする回答書を、先月末に送付しました。
【現在の状況】
・現時点では、相手側から正式な回答は届いていません。
【相談したいこと】
1. 内容証明やその後の回答が抽象的である場合、相手側が十分な証拠を持っていない可能性はありますか。
2. こちらが40万円を提示したことは、一般的に見て早すぎる、あるいは高すぎる対応と考えられますか。
3. 仮に相手側が40万円で合意する場合、それは請求の立証に一定の不確実性があることを示す可能性がありますか。
4. 40万円での合意が見えた後に、請求の具体的根拠の提示を求めたり、20〜30万円程度への減額を求めることは、交渉上不自然でしょうか。
5. このような状況で、今後どのような対応方針が一般的に望ましいでしょうか。
ご質問に回答いたします。
質問1
証拠を持っていない可能性はあるでしょうが、
ご記載の内容から持っていないと確信することはできないと思います。
不貞行為の証拠としてよくあるものとして、探偵等の調査による写真等の報告書がありますが、その報告書があったとしても、実際の不貞行為の期間や回数までは明らかにならないことが多いです。
質問2
実際に慰謝料を支払うべき事実があるのであれば、
交渉における判断として、そのことを認めた上で、慰謝料の金額をより低くすることはありうることです。
40万円という金額も、高すぎるということはありません。
質問3
可能性はあるでしょうが、
相手の立場からすると、証拠等の問題だけではなく、早期の解決のために、
合意をすることもあり得ますので、一概には判断できないでしょう。
質問4
不自然だと思います。
証拠については、謝罪しているのであれば、不貞行為を認めているのでしょうから、
求めることにほとんど意味はないと思われます。
減額の提案については、相手が応じる可能性が低い状況であると思われますので、
提案をするのなら、裁判になることを覚悟したうえで提案されるといいですよ。
質問5
仮に相手夫婦が離婚しない場合でも、40万円の金額は一般的な基準からは低額なものです。
(慰謝料額を判断するための具体的事情がわからないためあくまでも一般論ではありますが。)
今後、裁判になった場合はそれより多くの支払いを想定する必要があるため、
再度、先方に提案したとおりの内容での合意ができるかを検討されるといいとは思います。
もっとも、全てが経済的な問題で解決するわけではありませんので、
その他の事情を含め、ご自身のご判断になると思います。
弁護士にご依頼なのであれば、その弁護士と一緒によくご検討ください。
ご参考にしていただけますと幸いです。
朝早くから丁寧にご回答頂きありがとうございました。
現段階では、不貞関係を全面に認めているというよりは「一定の交友関係」という表現に留めており、先方の持っている証拠によっては減額交渉の可能性を考えましたが、既に一度提示している時点で不自然ですね…。
ありがとうございます。
相手方の内容証明や回答が抽象的であることから、証拠が十分でない可能性はありますが、交渉段階ではあえて証拠を詳しく開示しないこともあり得ますので、「具体性がない=証拠がない」とは断定できません。40万円の提示は、謝罪・接触禁止を含む早期解決金として、必ずしも高すぎるとはいえません。相手方が応じる場合であっても、それは、立証面だけでなく、訴訟費用・時間・回収可能性等を考慮した結果といえる場合もあります。一度提示した後に20〜30万円への減額を求めることも不可能ではありませんが、相手方の態度を硬化させるリスクがあります。今後は、正式回答を待ち、合意する場合には清算条項、接触禁止、口外禁止、求償権の扱い等について示談書で明確にすることが重要です。
依頼している弁護士によく確認したうえで、具体的に方針を検討なさるとよいでしょう。
ご回答ありがとうございました。
あえて証拠を詳しく開示しないことは相手方に何かメリットはあるのでしょうか?
本件に関しては「特別な関係」という表現でしか記載されていませんでした。
せめて期間や少し具体性をもたせた方が、送られる側としては響きやすいと感じるのですが…
交渉段階で、相手方があえて証拠や具体的事実を詳しく開示しないことには、一定のメリットがある場合があります。例えば、こちら側に証拠の内容を先に把握されると、反論や口裏合わせ、証拠隠しをされる可能性があるため、訴訟提起前には手持ち証拠を限定的にしか示さないことがあります。また、まずは抽象的な通知で相手の反応を見て、認否や支払意思を確認するという交渉方法もあります。もっとも、不貞慰謝料請求では、少なくとも、いつ頃からいつ頃まで、どのような関係があったとして請求しているのかが不明確なままでは、請求を受ける側としても適切に検討等することができません。「特別な関係」という表現だけでは、不貞行為、すなわち性交渉又はこれに準ずる関係を指しているのかどうかも曖昧です。したがって、相手方の記載が抽象的であることは、それだけで証拠がないとの断定はできないものの、証拠が乏しい可能性を窺わせる一事情にはなり得ます。
委任している弁護士を通じて、請求根拠、期間、回数、根拠資料について確認しつつ、訴訟リスクと解決金額のバランスを見て対応するのが穏当だと思います。
再度のご回答、本当にありがとうございます。
とても助かりました。
感謝申し上げます。