裁判で提出したプライバシー情報の非開示は可能か?
被告として地方裁判所で民事訴訟中です。
家裁と勘違いして非開示希望の書類として自身の病歴など訴訟とは関係ない プライバシーの部分を提出してしまいました。マスキングもしてません。
準備書面ではなく 裁判官のみに当てた書類です。
しかし、裁判書記から以下の理由から非開示希望の取り下げをするよう促されましたが、手続きの煩雑を嫌ってるだけの気もします。
・訴訟相手には非開示できない
・非開示希望を出すことによって裁判後に 相手が調べる可能性がある
よろしくお願い致します。
【質問1】
家裁ではない民事訴訟の場合の非開示希望はあくまで 第三者に対してのみ有効か と思われますが、訴訟相手に対して 非開示をしたい場合何か手立てはありますか。裁判終了後の閲覧も含めて 非開示にしたいです。
【質問2】
非開示棄却に対し抗告でしょうか?(訴訟とは関係ない部分なので非開示が妥当性という主張で)
既にお気付きのとおり、民事訴訟においては、提出書類等が綴られた訴訟記録は少なくとも当事者には開示されます(積極的に送付されなくても、記録閲覧申請をすれば見ることができる)。例外的に相手方に非開示にできるのは、当事者の氏名と住所のみです(民事訴訟法133条以下に定める氏名・住所秘匿制度)。提出書面に見せたくない部分がある場合、自らマスキングして提出する必要がありますが、これは基本的に自己責任であり、裁判所は当事者のミスをカバーしてくれるほど親切ではありません。
また、裁判所は公平な第三者であり、仮に貴殿から何らかの申立てなされた場合は、手続の公平・公正の観点から、相手方の意見を聴くことが多いでしょう。上記のとおり、民事訴訟では提出書類の非開示申立てという制度はないものの、貴殿がそのような申立てをするなどして事態を大きくしてしまうと、却って相手方の注意を引いてしまい、記録閲覧されてしまうリスクが高くなってしまいます。
提出した資料を提出扱いにせず、「家裁と同様に非開示上申が存在すると誤解していた」等と説明して、書類を回収できるかどうか担当書記官へお願いすることも考えられますが、最近の裁判所は、いったん受付印を押した書類は返却しない(できない)というスタンスを貫く場合が多いため、お願いを聞いて貰えるかどうかは何とも言えません。少なくとも抗告は困難でしょう。
「裁判官のみに当てた書類」とのことであれば、敢えておおごとにせずスルーしておき(事を荒立てなければ相手方が記録閲覧まではしない)、訴訟終了後に第三者閲覧制限の申立てをする、といった方法もあり得ますが、リスクがなくなるわけではなく、「自己責任」と言わざるを得ません(率直にいえば、それが民事訴訟というものです)。